コロナ禍のいま、清志郎さんを思う デビュー50周年を迎えて【後編】
これからどう清志郎と向き合うべきか
― 泉谷さんはずっと「あいつは死んでない」って言い続けてますけど、これからどう清志郎さんと向き合うべきなんですかね。 タクオ ここまでパンクな人っていないと思う。タイマーズで「ヒットスタジオR&N」に出たときも放送禁止用語で歌ったり。いまロックミュージシャンやアイドルが放送禁止用語で歌ったら干されるじゃないですか。だからみんな恐れてやらないんですけど、ここまでできる人っていない。僕はずっと清志郎を聴いていこうかなって。掘り下げるとどんどんいろんなものが出てくるし。 呑太夫 いままで通りいろんな聴き方して、いいものを見つけていこうっていうか。身近にいるもう一人の自分みたいに、自分の影や日向みたいな感じでついてくるんだろうなって。あとこんな状況なので、斉藤和義さんみたいな表現の仕方もあるし、自分の考えはある程度明確にしといて自分の周りに違和感があったら声を上げていかないと物事が変わっていかない。泉谷さんや三宅伸治さんもすぐ東北のチャリティーソングを作ったり、清志郎さんの周りにいた人たちはアクションを起こしているので。 木田村 清志郎さんみたいな方ってもう出てこない感じがするんですよ。この世代の方々って苦労もされてるし、経験が違うんだなって。結局、自分が落ち着く音楽って80年代になっちゃうし。 虎男 2009年5月2日に清志郎さんが亡くなられたときはショックよりも驚きのほうが強くて。移動中、ほぼ毎日といっていいぐらいRCや清志郎さんの曲は聴いてますが、やっぱりずっと忘れたくないんですよ。忘れることって悲しいことじゃないですか。前向きに清志郎さんのことを考えるために、これからも聴いていこうと思っています。 良子 ここまでロックを貫いて生きた人ってすごいなって思います。反骨精神を持つと尖るんですけど、清志郎さんって人間愛にあふれている。いろんな人も清志郎さんの生き方を真似てほしいなって思います。 志和 清志郎さんで思うことは、人って死んだら終わり、じゃないんだなって。変な言い方ですけど、終わりがずっと続いていくんですよね。清志郎さんの曲は色あせないし、日常の匂い、人間の匂いがする。おしゃれで器用で耳障りがよくて饒舌な音楽とは対極に位置してますよね。世渡り下手だったり、人間関係がどこか下手だったり、そういう人たちにすごく優しい音楽だと思うんです。これからも聴いていきたいです。何かがあって世の中が騒がしいときに、立ち止まって、清志郎さんならどう考えるかな、何を思うかな、って想像していきたいと思います。 (編集:志和浩司)