朝ドラ「エール」森七菜はこんな子 音の妹・梅役でネクストブレーク
窪田正孝主演のNHK連続テレビ小説「エール」が第4週を終え、いよいよ来週は志村けんさんが登場する第5週「愛の狂騒曲」を迎える。すでに俳優陣も古山裕一役の窪田と関内音役の二階堂ふみをはじめ子役から大人に変わった。そんな中、ポジション的には地味な存在ながら確実に存在感を残しているのが大きなメガネがトレードマークの音の妹・梅を演じる森七菜(もり・なな)だ。
気になる文学少女・梅のモデルは
2001(平成13)年生まれの森は現在18歳。ここ1、2年ほどでメディア関係者の間でネクストブレーク女優として注目度を上げてきた。昨年は1月スタートのドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」出演、新海誠監督の劇場アニメ「天気の子」のヒロイン天野陽菜役などで話題を集め、今年は1月公開の岩井俊二監督の映画「ラストレター」で広瀬すずの妹役を演じ、その主題歌「カエルノウタ」で歌手デビューも飾った。そんな勢いがついた中での「エール」における二階堂の妹役だ。 森が演じる梅は文学少女で、将来は小説家になることを夢見て懸賞小説に応募したりしている、関内家三姉妹の末っ子だ。顔の半分ほどもあるんじゃないかと思うぐらい大きな丸形のメガネをいつもかけているが、それが森の鼻すじのきれいさを活かしている。 「エール」は実在の人物をモデルにしているが、あくまでフィクションなので、梅のモデルが誰かは定かではない。音のモデルである古関金子は7人姉妹(金子は三女。上に長男・長女・次女、下に四女・五女・六女)なので、梅は妹たちのイメージを統合したキャラクターなのかもしれない。あるいは、声楽家になった金子は文学も大好きだったと言われているので、金子のそんな一面が梅に反映されているとも考えられる。
「演じた役の人物がいまもどこかで生きている」
昨年、森にインタビューした際、演技で課題が見つかったり壁にぶつかったときはどう解決しているか聞くと、こう答えた。 「どうしても解決できず、いまの私の実力はここどまりだなって思うこともあるんですけど、一回、客観視するようにしています。自分のことは近すぎて見えないものがあったりするので、いつもやっていることが意外と自分によくなかったりとか、考えすぎていたりとか、そういうポイントを見つけるには客観的に見るのが一番ですね」 末っ子ながら落ち着いて達観した雰囲気さえ醸し出す梅と、どこか共通しているものを感じる。 また、セリフの数自体はそれほど多くはないが、要所要所でしっかりと存在感を残せるのはブレークする女優にとって必要なポイントだが、あこがれや目標とする女優について聞くと満島ひかりの名をあげ、「満島さんの作品を観ると、満島さんが演じた役の人物がいまもどこかで、満島さんとは別に生きているんじゃないかなって思えるんです。台本があってカメラがあって、そういう撮影現場に行って役を演じているというよりも、その役の人物がそこにいるからカメラを回してるんだ、って感じがするんです。あんなお芝居ができたら最高です」と話していた。 「エール」は第5週、ついに裕一と音が出逢い物語が加速する。日本を代表する西洋音楽の作曲家・小山田耕三役の志村けんさんも5月1日にいよいよ登場する予定で、「エール」への注目度がさらにアップするのは必至。また、古舘伊知郎も愛知県で音楽関係の興行を取り仕切る鶴亀寅吉役で登場するという。そんな中、梅の登場場面がどの程度あるかは未知数だが、確かな存在感を放つ森の演技に期待したい。 (写真・文:志和浩司)