大阪府・吉村知事が定例会見4月28日(全文3完)私権制限の議論が必要ではないか
本質的に個人は自由であるべきだ
もっと言うと、これからさらに変異をして、感染しやすいものが出てくるかどうかも分からないという中で、今、最も取りうる措置というのは緊急事態宣言に基づく事業者へのこういった要請になるわけですが、日本は今までその危機に直面をしていませんので、だからそこも想定して対応すべきではないかと考えたときには、個人の自由についてどう考えるのかと。この感染症との関係でというのは、僕は本格的に議論すべきだと思っています。 憲法上、個人の自由というのは保障されていますので、僕は本質的に個人は自由であるべきだし、行政権であったり国家権力によってどうこう左右されるもんではないというのが基本的な考え方です。だけども、どうしてもこの感染症が急拡大するような状況の場合、社会の安全を守るために、社会で本当に多くの命を守るために、一定程度感染急拡大している極めてリスクが高いときについては個人の自由というのも制限すべきではないかと思っています。ここはちゃんと法律に基づいてやるべきだというふうに思っています。 例えばですけど、さっきのインドの二重変異株の話で言うと、今、入国して一応の検査はするわけですけれども、入国してから2週間、完全隔離する、強制隔離する、こういったことも今できていません。いろんなお願いベースで言われるわけですけれども、実際、本人はどこに自由に動いているかどうかも分からないという状況です。入国して2週間、強制的にある意味、どこかの施設で隔離をするというようなことは今の日本の法律ではできないです。これは私権、個人の自由がありますから。本当にでもそれでいいのかということをやっぱり考えなきゃいけないと僕は思っています。
ぜひ国会でも議論してもらいたい
中国なんかはものすごく入国者に対しての制限が厳しいっていう措置を取ったりはしています。でも日本はそれを取っていない。結果、海外からいろんな変異株もやっぱり入ってくるわけです。そこで個人の自由を重視するのか、あるいは社会の安全を重視するのか、そういった議論が僕は必要ではないかというふうに思っています。一例を挙げるとそういうことですけどね。 それが望ましいとは思わないんですけれども、どうも今日もそうですけど、僕も府民の皆さんにお願いします、お願いします、いろんなところで言って、これからも言っていきます。今の日本の法令上の立て付けの中で一生懸命やっていきますけど、そういったことも本来は国会において議論すべきではないのかなと僕は思っています。 粟野:ありがとうございました。 司会:よろしいでしょうか。 吉村:あと例えばマスクの義務化なんかもそうですよね。結局マスクの義務化はされていないわけですよ。ちょっと僕はここ、今、皆さんと距離も取って広い部屋で、ついたて立ててやっています。これはいろんな、聴覚障害の方もおありだということで、今、こうやっていますけれども。マスク義務化なんていうのはないわけです、今の日本の。それも強制できません。マスク会食の広い意味での義務化というのは、事業者に対するお願いを含めて、僕はそう言ってやってますけど、厳密に言えば個人に対するマスク着用義務はないわけです。路上飲み、公園飲みも、われわれ、今度青パトを使っていろんな呼び掛けをしていこうというのも今、市町村と協力してチームつくりましたけれども、これも自由なわけですよね。本当にそれでいいのかっていうのを、僕はぜひ国会でも議論してもらいたいなと思います。 僕は今、現場の知事なので、今の与えられた権限の中で、できる限りのことは一生懸命やっていきたいとは思っていますけれども、そういった本質的な議論も、今後インドの二重変異株とか、イギリスの変異株もどこまで広がるかまだ分からない、未知の状況があると。さらにその先にはもっと変異するウイルスだって入ってくるかもしれない。そういった意味では、その議論をすべきではないかと思っています。 司会:よろしゅうございますでしょうか。それでしたら、これで定例会見を終わらせていただきます。ありがとうございました。 朝日新聞:本日の政務のご質問【*********01:11:40】。いいですかね。それでは終了いたします。ありがとうございました。 (完)【書き起こし】大阪府・吉村知事が定例会見4月28日