現代版「ゴールデン・ガールズ」が建てた、ともに年齢を重ねていけるシェアハウスをのぞいてみた(海外)
2017年、3人の女性がアメリカのテキサス州サンアントニオ近郊にシェアハウスを建てて暮らし始めた。 【全画像をみる】現代版「ゴールデン・ガールズ」が建てた、ともに年齢を重ねていけるシェアハウスをのぞいてみた 3人は姉妹とその古くからの友人で、自分たちのことを「ゴールデン・ガールズ」のようだと話している。 3人は一緒に食事をし、光熱費を分担している。そして、互いを気遣いながら年齢を重ねている。 2012年に相次いで夫を亡くしたクリスティーナさんとミシェルさん姉妹は、この悲しみを再出発のチャンスに変えようと決めた。 古くからの友人であるミュリエルさんもそこに加わり、3人はある型破りな道を選んだ。それぞれの家を売って、そのお金でサンアントニオから北に30分ほど離れたフェア・オークス・ランチという小さな町で5エーカー(約2万平方メートル)の土地を17万5000ドル(約2690万円)で購入した。一緒に年齢を重ねられるシェアハウスを建てるためだった。 「わたしたちがこの計画について話すと、多くの人が不思議そうな顔をしました」とテキサス州酒類委員会の職員だった68歳のクリスティーナさんは語った。 「うまくいきっこないと思ったんでしょうね」 それでも、自分たちを1980年代から1990年代にかけてヒットしたドラマシリーズ『ゴールデン・ガールズ』に出てくる、意思が強くて頭の切れる女性たちになぞらえた3人は計画を進めた。 3人はサンアントニオの建築事務所Ziga Architecture Studioのオーナーであるフェリックス・ジガさんにこの計画の実現を依頼した。 ジガさんは、友人でTriple R Custom Homesのオーナーであるジミー・シッキンクさんと協力して、唯一無二のシェアハウスを設計・建設した。 2017年、3人は「ティエラ・デ・ディオス(神の土地)」と名付けたこのシェアハウスで暮らし始めた。敷地内には姉妹それぞれの部屋がある広さ2378平方フィート(約220平方メートル)の母屋と、ミュリエルさんが暮らす広さ1902平方フィート(約177平方メートル)の別棟がある。 土地の購入費用を含め、このプロジェクトには約120万ドルかかっていて、費用は3人で平等に負担した。 ただ、一緒に食事をし、光熱費を分担するこの3人にとって、このプロジェクトによって得られた安心感と連帯感はお金では買えないくらい価値あるものだ。 「わたしは以前、救急外来で働いていて、自宅で倒れて数日後に見つかったという高齢の患者さんを数多く目にしてきました。『ああ、なんてこと。自分はこうならないといいけど』と思ったのを覚えています」と元看護師で68歳のミュリエルさんは語った。 「今は安心感があります。2、3日音沙汰がなければ『大丈夫?』と声をかけてもらえると分かっていますから」 彼女たちが建てたシェアハウスの中身と、共同生活をうまく回すコツを紹介しよう。