韓国航空史上最悪の179人死亡事故 専門家が「犯罪的だ」と指摘した「重大な不手際」
韓国・務安(ムアン)国際空港で発生した旅客機墜落事故で179人が死亡した事故の原因として、滑走路の末端に設置されたコンクリート壁の存在が大きな波紋を呼んでいる。 【動画】コンクリート壁に激突して爆発する旅客機 航空安全の専門家らは、この構造物の設置を「犯罪的」と厳しく批判し、もし異なる素材が使用されていれば、悲劇は避けられた可能性があると指摘している。 ニューヨーク・ポスト紙によると、済州航空の旅客機は、着陸を試みた際に滑走路を逸脱し、末端から約250メートル先に設置されたコンクリート壁に激突し、炎上。搭乗者181人のうち、生存したのは機体後部に座っていた乗務員2名のみだった。 英国空軍の元パイロットで飛行教官のデビッド・リアモントは「このような構造物を見たことがない。存在する正当な理由はなく、設置自体が犯罪的」と厳しく非難。ドイツ・ルフトハンザ航空のパイロット、クリスチャン・ベッカートも「通常、滑走路の末端に壁は存在しない」と指摘している。 一方、韓国国土交通省航空政策課のチュ・ジョンワン課長は、この壁は着陸誘導アンテナを設置するために規定に従って建設されたと説明。韓国の他の空港にも同様の構造物があると主張している。 事故機は着陸直前に鳥との衝突を管制塔に報告。約7000時間の飛行経験を持つパイロットは着陸をやり直そうとしたが、時間が足りず、逆方向から緊急着陸を試みた。着陸装置とブレーキシステムが作動せず、機体は滑走路を超えてコンクリート壁に激突したという。この事故は韓国航空史上最悪の惨事となった。