小池都知事が定例会見10月8日(全文2完)ガラスの天井を破っていただければ
高層ビルのロビーを一次避難場所に活用できないか
新宿新聞:新宿新聞の喜田です。先ほど知事のほうでも、いみじくも、これが冬の寒いときだったらどうなるのかということが提起されましたけれども、まさに、気候のいいときばかりではないです、地震が来ますのは。そのときに駅に向かって皆さんが歩いて行くわけですけれども、駅の周辺の超高層ビルなり、高層ビルなりに、広い、みんな、ロビー階っていうのがあるんですよね。玄関口ですね。そういう場所を避難場所として、一時避難場所として活用できないかということを考えていらっしゃらないのかどうか、私はいつも疑問に思っております。ぜひ、その辺の活用の案を具体的にお見せしていただければなと思いますけれども、そのことについては、どうお感じになってますでしょうか。 小池:これは以前から一時滞在施設の確保ということで、課題としてさまざま取り組んできております。今回は一時滞在場所として、足立とか港区が3カ所ほど、小学校などを開放して、そこにとどまられて夜を過ごされたと思います。そして都立の施設につきましても、これも有効に活用するということで、それぞれの自治体との連携ということも必要になってきます。 それから今ありましたように民間の施設につきましても、公的な施設だけでなく、民間事業者に一時滞在施設の確保の協力も求めているところであります。それぞれ企業によって、建物によってご協力をいただいている、その輪が広がっているというふうに考えております。
帰宅困難者対策が進まない原因は
新宿新聞:92万人という東京都の予測で、帰宅困難者があふれるということが予測されているわけですけれども、今現在、聞くところによりますと、東京都のほうでは44万5000人分の備蓄が用意されているというふうな話を聞いております。この対策がなかなか進まない。オリンピックの前からもこれはいわれていたのですが、なかなか進んでいないように思うのですが、何が原因だというふうに思いますでしょうか。 小池:こういう防災対策というのは、まさしく自助・共助・公助といった連携が必要だというふうに思います。ご指摘のように一時滞在施設については約45万人分の施設等が確保されているところです。さらなる確保を進めていくために、さっきの民間事業者の協力、それから備蓄品の購入費用に対する補助、そして一時滞在施設運営の懸念の払拭のためのアドバイザーの派遣など、行っているところであります。 それぞれの施設の確保を進めると同時に、さっき申し上げたように、うちに帰らなくちゃ、家族が大丈夫かしらという気持ちは分かりますけれども、むりむり帰ることが、これによる交通、だいたいそういうときは交通機関も止まる可能性もあるわけですから、むしろ時と場によりますけれども、そういうふうに企業、会社に戻るとか、職場に戻るというような判断をされるというのも、1つ案だと思います。さまざまな施設を有効利用、活用をしていくことで、都民の皆さんの安全と安心の確保につながるというふうに考えております。 新宿新聞:お答えありがとうございます。もう1つだけ、民間の超高層ビルのロビー階というものについて、避難施設として考えられないものなんでしょうか。 小池:いや、今、だからお答えしたとおりであります。民間の方々のご協力を得やすくするためのさまざまな工夫もしておりますし、それぞれ企業についても社会的な存在としてのご協力を得られればというふうに考えております。以上です。 (完)【書き起こし】小池都知事が定例会見10月8日