世界中でEVが失速する中、なぜ「東南アジア」では急成長しているのか?
イノベーションのキーワードは「俊敏」「柔軟」「連携」
全世界共通のサービスではなく、その地域ごとの特性に合わせたサービスを提供し、問題解決を図るというアプローチが有効な今の時代では、環境の変化にいかに素早く適応し、時に方針を変更するなどして柔軟に対応していくかが成否を左右する。 そのためには経営がパーパスのような抽象的な方向性を定めて、現場が「誰に」「何を」「どうやって」を具体的に考えて実行することで、変化する環境に合わせて柔軟に対応することが可能になる。その際に、現場に権限と十分なリソースを与えることで、俊敏さも実現できるだろう。 また、環境の変化にいち早く気づくには、現地の財閥やスタートアップとの連携など、現地事情の理解や現地ネットワークを有することが極めて重要となる。デジタル技術の発展により確かに個人で実現できることの幅は大きく広がったが、それでも一個人、一企業では解決できない問題があったならば、他者とのパートナーシップがイノベーションを前進させる原動力となりえる。 自分たちの強みを知り、それを最大限表現するために必要な機能を得るべく、すでに世の中にあるものを活用し、世界中の人材と連携することで新しい価値を生み出していくことが、これから先の時代に持続可能な成長を実現するためには必要不可欠なのだ。
坂田幸樹(IGPIシンガポール取締役CEO)