TG戦突然の7回降雨コールド決定に虎党からも批判の声
「試合の続行不能かどうかは審判が判断するもの。私は現場にいなかったので画面上でしかわからないが、かなり照明でグラウンドが光って見えた。水が浮きグラウンドが厳しいコンディションにあったことは確かだろう。3回に糸原、マルテが三塁を回る際に足元を取られてまともに走れていなかった。あの段階で、すでに難しかったのだと思う。5回にゲームが成立した段階で、一度、試合を中断して様子を見るなどの手順を踏むべきだった。グラウンド整備の達人である阪神園芸が無理だと判断する以上、コールドゲームの決定は仕方がないことだと思うが、負けている側が納得できる手順を踏んでコールドにすべきだったのではないか。まして原監督には事前になんらかの説明が必要だっただろう」 降雨コールドの判断は仕方がない。問題は審判団が踏まなかった手順だ。 高代氏には阪神三塁ベースコーチ時代の苦い思い出がある。 2017年10月15日に甲子園で雨の中で強行開催されたセ・リーグのクライマックスシリーズ、ファーストステージの第2戦、阪神ー横浜DeNA戦である。予備日が1日しかないCSの日程上、雨の中で強行開催され、不公平にしないため9回まで行われたものだが、凡打が雨の影響でヒットになるような最悪の状況。阪神は6-13で横浜DeNAに負けて1勝1敗で逆王手をかけられ、結局、CS敗退することになった。 「考えられないような土砂降りの中で最後までコールドゲームにならなかった。長い三塁コーチ生活の中で試合途中にスパイクをポイントのあるものに履き替えたのは初めて。コーチの私でさえ滑ってグラウンドに立っていられなかった。CSの日程がつまっていて中止にできなかったという事情があったようだが、そういう背景、ゲーム、審判の判断の違いによって”忖度”されて続行や降雨コールドが決まるのもいかがなものか。選手に怪我はさせられないし雨の中で観戦するファンへの配慮もあると思うが、降雨コールドの判断基準や、その手順をもっと明確にしておくべきだと感じた」 巨人ファンだけでなく阪神ファンも後味の悪い幕切れになったが、皮肉には勝敗を分けたのは、その雨という外的要因だった。 サンチェスは、2回に強くなった雨とぬかるんだマウンドに明らかに集中力を失いキレてしまっていた。サンズ、佐藤に連打を浴びて無死一、二塁にされると、梅野の初球のスライダーが雨でボールが滑ってスッポ抜けた。大城が捕れない大暴投で二、三塁となり、梅野のライト前タイムリー、木浪のセンターへの犠飛と続いた。 高代氏は「サンチェスは1回先頭の近本にすべて150キロのボールを外角低めにビシっと集めて素晴らしい立ち上がりを見せた。だが、雨の影響で徐々に集中力を失い、ストレートは145、146キロに落ち、変化球も含めてすべて1本調子になった」と指摘した。 “もう投げたくない”という表情を浮かべていたサンチェスは続く3回にも先頭の糸原にレフト前ヒットを打たれ、続くマルテには、また雨で手元が狂いデッドボール。そして続く大山にもセンター前タイムリーを打たれた。