【桂川有人の欧州ツアー挑戦記 #4】簡単に身に付くものではないけど、自分に足りないものが見えてきました
調子はあまりよくなかったんですけど、初日はまあまあ。ただ2日目はティーショットが上手くいかなくて。フェスキューに入ってしまうと難易度が高くなり、パーで上がるのも難しくなる。バンカーもポットバンカーですから、出すだけになります。しかもグリーンが硬い。やっぱり思った球が打てていないと、どうにもできないことが起きてしまいます。天気はまだ穏やかなほうだったとは思いますが、予選落ちしてしまいました。昨年、コーンフェリーツアーに挑戦していたときに予選落ちが続いたので慣れたというか……慣れたらいけませんね(笑)。そうではなくて、「次に行くぞ」という気持ちの切り替え方はできるようになりました。 大会会場に残って練習し、月曜日に全英オープンの会場、ロイヤルトゥルーンに移動し、練習を開始しましたが、このコースはさらに難しかった。距離もあって、風が強くて、さらにグリーンも硬くてフォローが吹いたらもうボールが止まらなくて、距離感の合わせ方が難しかった。ポットバンカーもいい場所に配置されていて、それでグリーンが硬いので落とし場所が決められる。保険がきかない感じです。すごく曲げてしまうと、風も強いからボランティアの方も行方を追い切れず、みんなでボールを探すことになったりします。
トゥルーンは、最初はあまり特徴のないホールから始まるんですけど、徐々に距離は伸びるし、トリッキーになっていくし、ホールを重ねるごとにどんどん難しくなっていく。でも、リンクスコースとしてはすごくやりがいのあるコースだと思いました。海沿いで雰囲気と歴史のあるコース。ただ僕はあまりコースへのこだわりはなくて。自分に合うか合わないかも気にしないんです。それより、そのコースにどう対応していくかを考えるようにしています。
全英オープンは、落ち着いてそれなりにいいプレーができました。ただ、3パットしたり、もったいないミスが多くて1打足りなかった。調子もよかったのでもっとプレーしたかった。でも本当に紙一重なんです。普通ならバーディが取れたりパーで収まるものが、気づいたらダボに。だからこそ紙一重の技術が必要です。これは全英だからということではないんですけど、1つ1つの細かい技術で1打、2打……何打も変わってくると思いますから。
やっぱり悔しい。でも悔しさがなかったら選手として終わりですから。自分に必要なものが見えてきた部分もある。それは本当に細かい技術すぎて、そんなに簡単に身につくものではないですけど、少しずつ頑張るしかない。手の届くところまで来ているとは思うので、結果だけで焦らず、今のプロセスを大事にしてやるしかないですね。スコットランドの続きはまたすぐに。 写真/桂川有人
週刊GDツアー担当