次期学習指導要領「先生の業務の見直し」も着手を 学校は何をするところ?教員のコア業務とは?
実現可能か?という批判はまっとうだが、絵を描く意味もある
ここで述べたことは、各論、具体論になればなるほど、賛否両論あると思う。また、「絵を描くのはいいが、本当にできるのか?」「分業しろと言われても、そんな人はいないよ」という疑問、反論が学校現場からも聞こえてきそうだ。 とはいえ、ここ数年の文科省などの政策をみても、「働き方改革は一丁目一番地」「残業時間(時間外勤務時間)を削減する」などとは言いつつも、ビジョンと具体方針(戦略)が十分に描けていない部分があったのでは、と思う。 「学校は何をするところなのか」「教員のコア業務は何なのか」などの将来像について、具体的な業務まで落とし込んで再設計して、必要な人材の育成や予算獲得のためのロードマップを描く必要がある。 そこには官僚だけでなく、政治家の役割も大きいと思うし、学界などももっと提言したほうがよいと思う。次期の学習指導要領の検討でも、各教科の細かな部分の改訂や学習評価の方法などに終始せず、そもそも「学校はどこまで何をするの?」というところから深めてほしい。 (注記のない写真:Fast&Slow / PIXTA)
執筆:教育研究家 妹尾昌俊・東洋経済education × ICT編集部