【ABC特集】朝5時台に出社して勤務終了は夜8時を過ぎることも・・・ 「先駆者となり切り開く」 全国で1.7%しかいない女性バス運転士の1日に密着
「お金もいることだから、正社員で働きたかった。」 バスの運転に必要な大型2種免許を自費で取得し、昔からなじみのあった地元・奈良のバス会社に入社します。 しかし当時は圧倒的な男性社会だったバス会社。 中村さんの前に3人の女性運転士がいましたが、なかなかステップアップ出来ず、辞めていってしまいました。
中村さんも「いつかは辞める」と思いながら仕事を続けていましたが、マイクロバスから貸切バス。そして入社7年後には大型路線バスを担当させてもらえるまでに。 「たまたま所長や副所長が乗りに来て、転身を進められたんです。最初は”ど素人”だったけど、日々続けていたら一つ一つの引き出しが増え、自分の運転技能の肉付けになった」。
女性運転士は国全体で全体1.7% ”それより少し高い”奈良交通の制度
奈良交通では、女性も男性も関係なく働きやすい職場作りに力を入れていて、女性専用の休憩エリアを設けているほか、育児や介護をする社員のため、勤務時間を昼間だけなどに短縮できる「デイタイム社員制度」を導入しています。 その結果、奈良交通の総運転士数967人のうち、女性運転士の数は30人。比率は約3%と、国平均の1.7%より”少し高め”です。 中村さんも女性の働きやすさ改革のため、上司に提言するなど努力を続けてきたと言います。
運転するのは全長18m 乗客約100人が乗れる連節バス 運転士の条件に必要なもの
午後3時半。仮眠を終えた中村さんが事務所に下りてきました。 中村さんが2回目の勤務で運転するのは、全長18メートルの連節バス。連節バスは、通常の大型路線バスより7メートルほど長く、乗客もおよそ1.5倍の130人ほどが乗れます。中間がじゃばらで折れ曲がる構造ですがけん引免許は必要なく、通常の「大型2種免許」で運転できます。 連節バスを運転できるのは、奈良交通の中でも技能や接客態度が評価された10人程度で、女性は中村さんだけ。
午後5時21分。研究所や企業があつまる「けいはんな学研都市」出発。およそ30分ほどかけて祝園駅に着いた時には100人ほどの客が降車。連節バスの威力発揮です。 午後7時56分、最後のお客さんを降ろし、今日の乗務が終了しました。
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