足のスペシャリスト・元サッカー選手が語る「ゴルフシューズ論」
力強いシュートを打ち、ボールを自在に止め、芝の上を縦横無尽に走り回る。まさに足の感覚が研ぎ澄まされたサッカー選手が、最新のゴルフシューズを履いたらどう感じるのか?アディダスのシューズイベントに参加していた、元サッカー選手の田中隼磨氏とハーフナー・マイク氏に、その“足裏感覚”を聞いてみた。元サッカー選手が語るゴルフスパイク論。 【画像】渋野日向子がハワイでアディダスのイベントに登場
1試合で20足のシューズを持って行く/田中隼磨氏
ゴルフ場に来ると、つい芝の状態を見てしまうというのは、ゴルフ歴20年でベストスコア81の田中隼磨氏(元日本代表、横浜F・マリノスなどでプレー)だ。 「やっぱり本能なのか、ゴルフ場にくると芝をじーっと観察しちゃいますね。サッカーのフィールドとつい比較してみたり。芝の質や、芝の長さも気になる。ちょっとぬかるんでるなとか、柔らかいなとか、足裏でけっこうすぐに感じます。球がそういうところに行くことも多いのでね(笑)」
田中氏は現役時代から「ピッチの芝に敏感なほう」だった。「例えば鹿島スタジアムは芝が長く、日産スタジアムなどは短い。基本的に長い芝には長いポイント(スパイク裏の突起)、短い芝には短いポイントを合わせて、滑らないようにしていました」 芝の状態に合わせて履き替える上に、前後半でも取り替えるため、1試合で20足近くのシューズを持って行くこともざらだった。「ポイントを整えた上で、その日の芝に合わせて自分の切り返しの大きさを変えていました。例えば芝が硬くて刺さりにくい時は、少し細かくターン。刺さりやすい時は、大胆に切り返していた」。足で芝を感じるその繊細な感覚は、他のどの競技の選手よりも鋭敏だったに違いない。
そんな田中氏だからこそ、ゴルフシューズの性能、特にソールについてはこだわりが深い。「やっぱりこのグリップ、サッカーでいうところのポイントが気になりますよね。ゴルフシューズを選ぶときは、傾斜地でのグリップ力を気にします。例えばつま先下がりで、グリップが効いて滑らない場合はしっかり打っていけるんですけど、滑りそうならちょっと気を付けて打つ。グリップがしっかりしていれば滑らない安心感があるんで、ストレスがこっち(足)には行かないですよね」