生活者と直接つながることで新たなサービスや体験価値を共創していく…コミュニティ活用の先駆者「花王」が目指す先とは【対談】
ファン待望の「共創コミュニティ」
小父内 コミュニティでは、どのような施策を展開されているのでしょうか? 的野 先ほど岡田から話があったとおり、「My Kao メンバーサロン」は2023年9月にプレオープンしたばかりなのですが、現在(2023年12月)2つのROOMが立ち上がっています。1つ目はスキンケアブランドのROOMです。スキンケアブランドのファンコミュニティになっており、ブランド担当者とブランドファンの会員様が直接コミュニケーションをとっています。2つ目は「みんなの準備室」です。従来のコミュニティを楽しんでくださっていた会員様を中心にご参加いただき、新しいコミュニティを共創するという目的で運営を行っています。 小父内 実際に運営をスタートしてみて、会員様の反応はいかがでしたか? 的野 従来のコミュニティにご参加いただいていた会員様は、花王が好きな方が多いので、熱量が非常に高かったです。「My Kao メンバーサロン」への移行を進めていく上で、会員様の中には「My Kao」のことを知らない方もおり、まずは「My Kao」を知ってもらうことが重要でした。「My Kao で興味のあるコンテンツを教えてください」という投票企画を実施したところ、200近くの投票と、150件近くのコメントをいただきました。 とても励みになるコメントが多かったので、社内のコンテンツ担当者にフィードバックし、担当者からの返事を掲載したところ、会員様から「花王らしさを感じる」との感想をいただき、共創コミュニティはファンのみなさまも待ち望んでくれていたのだと感じています。
コミュニティの運営によって得られるメリット
小父内 まさに待望の瞬間だったのですね。ちなみに、社内のメンバーからはどのような反応がありましたか? 的野 スキンケアブランドのROOMの担当者からは、ブランドファンの会員様の生の声やリクエストが聞けて、直接会員様とつながる醍醐味を感じることができたと聞いています。また、今後はブランドファンの会員様との対話を重ねて、さまざまな共創プロジェクトに挑戦したい、との声もありました。 小父内 コミュニティに参加されている会員様には、どのような方がいらっしゃるのでしょうか。 的野 弊社の現役社員が知らないような昔の商品について話してくださる会員様がいました。昔から花王が会員様に愛されていたのだなと感じることができました。結局、先輩社員もOB・OGも、その商品について知っている者がおらず、とても驚いたことを覚えています。 小父内 今の商品に関することではなくて、現役社員も知らない、そんな昔の商品についてお話ししてくれるファンがいるというのも、歴史ある御社ならではのエピソードですね。 的野 そういう情報を募集しているわけでもないのに、自発的に教えてくださる方がいるということに驚きました。花王が愛され続けているのを強く感じましたし、今後も引き継いでいきたいと思えた出来事でした。
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