じつは「美しいノート」で成績が上がる人は、ほんの一握り…パフォーマンスを上げるにはその「整理の仕方」にあった!
わざわざ「まとめノート」をつくる理由
そもそも、なぜわざわざ「まとめノート」をつくる必要があるのでしょうか? それは、まとめノートをつくることで、情報の「一元化」と「最適化」がおこなえるためです。 ■情報の「一元化」 参考書や問題集などの情報が1つのところに集約されずにバラバラのままでは、頭が混乱してしまいます。試験前に復習したいときにも、いちいちいろいろな本を参照しなければならず、不便です。まとめノートをつくると、大量の情報を1つの場所にまとめることができます。 ■情報の「最適化」 市販の参考書や問題集は、多くの人に向けて書かれているため、中にはどうしても自分には必要のない情報も含まれてしまいます。逆に、自分に必要だと思う情報が抜けていることもあります。 一方、自分だけのまとめノートなら、自分に必要な情報だけを選んで書くことができます。また、苦手なポイントや覚え方のコツを書き込むことで、自分に最適な1冊をつくれます。 このようなまとめノートづくりの効果は、「東大式まとめノート」の3つのポイントを押さえることで、ますます高まります。 (1)「見出し」「記号」「番号」を用いて、頭の中に“引き出し”をつくる (2)「テスト形式」で、書きながら覚える (3)「暗記術満載」で、すぐに覚えて絶対に忘れない ここからは、それぞれのポイントについてくわしく解説していきます。
ノートの「2つの特徴」に着目
(1)「見出し」「記号」「番号」を用いて、頭の中に“引き出し”をつくる 次々とスキルアップする人たちのノートには、共通点があります。それは、「情報が整理されている」ことです。 たくさんの知識を持ち、その知識を自由自在に取り出せる人の多くは、頭の中に“引き出し”を持っています。必要なものを引き出しから取り出すように、その時々で必要な知識を頭から取り出しています。 しかし、大量の情報を頭の中だけで整理して“引き出し”をつくるのは、よほどの天才でなければ容易なことではありません。そこで、一度ノートの上にそれらを可視化することが大切なのです。 情報が整理されたノートの特徴は、次の2点です。 (1)ページごとに「見出し」がついている (2)「記号」「番号」で整理されている (1)ページごとに「見出し」がついている ノートには、ページごとに「見出し」をつけることが大切です。「見出し」とは、そのページに書いた内容をひと言で表したものです。 本を読むときにも、目次があれば、読みたいところを探しやすくなり、全体の流れもわかりやすくなりますよね。それと同じように、ノートにも「見出し」があれば、自分が書いたことを思い出しやすくなりますし、情報を整理しやすくなります。 「見出し」は、わかりやすいように、ページの最上段に書きましょう。大きな文字で書くなど、目立つように工夫するといいでしょう。 (2)「記号」「番号」で整理されている 「記号」や「番号」を使って情報を分類し、関係性を可視化することで、情報をひと目で把握できるようになります。具体的には、次のようにすると便利です。 ●箇条書きにする →・(中黒)、(1)(2)(3)……(番号) ●記号で因果関係や同義関係を表す →(矢印)、=(等号)、⇔(逆)、∴(ゆえに)、∵(なぜなら)など ●補足情報を入れる →@(~の場所で)、例(たとえば) 大量の情報もこのように整理することで一覧性が高まりますし、1つのキーワードで連鎖的にほかのキーワードも思い出しやすくなり、暗記がはかどります。 …つづく後編記事の<これから始める「苦手な暗記」を、もっとも効率的に行える《画期的なノート》の作り方…育児中に「半年で東大大学院」に合格した女性が教える>では、インプットとアウトプットが同時に行えるノートの整理方法ご紹介します。
石黒 由華