吉田麻也が語った「負けるべくして負けた」の真意とは…W杯アジア最終予選“開幕戦”でランキング下のオマーンにまさかの敗戦
ゴールする匂いがまったく伝わってこない。逆にサイドを完璧に崩され、試合終了間際に決勝点を奪われた。来秋に中東カタールで開催される、次回ワールドカップ出場をかけたアジア最終予選。大事な初戦で日本代表が完敗を喫した。 アジアの6都市で2日に開幕したアジア最終予選。7大会連続7度目のワールドカップ出場を目指すグループBの日本は、市立吹田サッカースタジアムでオマーン代表に0-1で敗れ、前回のアジア最終予選に続いてホームで黒星発進となった。 最新の国際サッカー連盟(FIFA)ランキングで24位と、アジア最上位の日本はボール支配率で60.6%をマーク。同79位のオマーンの39.4%を大きく上回ったが、シュート数では9本に対して12本と後塵を拝し、後半43分にはついに守備陣が決壊した。 過去の対戦成績で9勝3分けと無敗だったオマーンにまさかの金星を献上した日本は、舞台をカタール・ドーハに変えて日本時間8日午前零時から、ブラジルおよびイングランド出身の帰化選手4人を擁する同71位の中国代表との第2戦に臨む。
ホームなのに露呈したコンディションの差
キックオフ前から大雨に見舞われたピッチに非情のコントラストが描かれた。狂喜乱舞するオマーン選手団とは対照的に、何度も首を横に振りながら引きあげてきたキャプテンのDF吉田麻也(33・サンプドリア)が第一声を絞り出した。 「負けるべくして負けたと思います」 フラッシュインタビューで口を突いた言葉の真意を、オンラインでの囲み取材でも問われた。オマーンと日本の双方の観点から吉田は完敗を認めた。 「ひとつは相手のコンディションがむちゃくちゃよかった、というのがある。通常より長く準備してきたんでしょうけど、それは言い訳にできない。もうひとつは強度が足りなかったし、クリエイティビティも欠如していた。疲労なのか移動があったからなのかはわからないけど、それはいつものことだし、ピッチのコンディションがよくなくてボールが走らなかった、というのもあるかもしれない。ただ、それにしてもという感じでした」 両国の間に存在した、コンディションの大きな差は事前からわかっていた。 オマーンは日本との初戦へ向けて、約1ヵ月もの長期合宿を敢行。クロアチア代表コーチ、イラン代表監督として過去に日本と対戦するなど、豊富なキャリアを持つクロアチア出身のブランコ・イバンコビッチ監督のもとで万全の対策を積んできた。