なぜ久保建英は「代表でもトップ下を狙いたい」と語ったのか…明日初戦のW杯アジア最終予選へ向けて覚悟と決意
悔し涙とともに4位で終えた東京五輪からモードを切り替えて、カタールワールドカップ出場をかけたアジア最終予選に臨むA代表に参戦しているMF久保建英(20・マジョルカ)が、新たな戦いへ向けた覚悟と決意を明らかにした。 オマーン代表との初戦(2日・市立吹田サッカースタジアム)へ向けて、大阪府内で行われている合宿2日目の31日にオンラインでメディアに対応。まだ実績を残していないA代表で狙っていくポジションとして、東京五輪でも担ったトップ下をあげた。 「代表ではトップ下の位置を狙っていけたらと、いまは個人的には思っています。右でもやれますし、監督が『右で張れ』という使い方を僕に求めるのであればそのレベルにあると思いますけど、僕がいま一番やりやすいのはトップ下と右とを流動的に行き来して、という形なので。どちらになるにしても、流動的にできればと思っています」 A代表における久保の出場数は「11」で、左サイドハーフで先発した昨年10月のコートジボワール代表戦以外は原則として右サイドハーフか、あるいは[3-4-2-1]システムが採用された場合にはダブルシャドーの一角で起用されてきた。 今年に入ってからは東京五輪に臨むU-24日本代表の活動に専念。A代表が戦った3月以降の6試合には、リザーブのまま終えた5月のミャンマー代表とのカタールワールドカップ・アジア2次予選を除いて、まったく絡まない状況が続いてきた。 オマーン戦でピッチに立てば、途中出場した昨年11月のメキシコ代表戦以来となるキャップを獲得する。満を持して臨むA代表の戦いへ、あえて具体的なポジションをあげたのはなぜなのか。答えは今年に入ってから描かれてきた軌跡にある。 まずはまだ記憶に新しい東京五輪があげられる。トップ下として全6試合に先発した久保は、右サイドハーフの堂安律(23・PSVアイントホーフェン)と変幻自在にポジションをスイッチ。対戦相手を翻弄しながらグループリーグで3戦連続ゴールを決め、日本の攻撃陣をけん引していった過程で、自信と手応えをどんどん膨らませていった。 ただ、準決勝でU-24スペイン代表に、3位決定戦ではグループリーグで撃破しているU-24メキシコ代表に敗れ、4位に終わった後は人目をはばからずに号泣した。決勝トーナメント以降の3試合で無得点だった、自分自身へのふがいなさが涙腺を決壊させた。 募らせた無念さを、年齢制限のないA代表で居場所を築くための糧にする。東京五輪に続いて選ばれた、久保や堂安ら6人のU-24代表世代が抱く想いは決まっている。 「実績から言えば、自分たちオリンピック世代の選手は挑戦する立場だと思いますけど、だからといってそんなに差があるとは思っていません」