なぜ大迫勇也は約7年ぶりのJ復帰となる神戸移籍を決断したのか…「純粋にもう一回ゴールを取り続けたい」
今夏にJ1のヴィッセル神戸へ加入したフォワードトリオ、元日本代表の武藤嘉紀(29)、バルセロナ出身のボージャン・クルキッチ(30)、そして森保ジャパンで不動の1トップを担う大迫勇也(31)の移籍会見が22日、都内のホテルで開催された。 会場には神戸の三木谷浩史会長(56)と、前夜の鹿島アントラーズ戦でデビューし、決勝点をアシストしたばかりの武藤が登壇。日本入国後の自主隔離期間中のボージャンと大迫は、それぞれ別の場所からリモートで出席する形が取られた。 鹿島に所属していた2013シーズン以来、実に7年半ぶりの国内復帰となる大迫は会見で「いろいろな選択肢があったなかで、フォワードとして純粋にもう一回ゴールを取り続けたい、そしてチームを勝たせたい、という思いが強かった」と移籍に至る経緯を説明。続けて行われたオンラインの囲み取材で、新天地を神戸に決めた理由も明かした。 「神戸であればタイトルを取れる、これからさらに強化されてよくなっていくと思ったので(移籍を)決めました。神戸が勝つために、という思いしかありません。そのために点を取り続けて、チームの力になって何かを成し遂げたい」 大迫は囲み取材の第一声でも「まずはフォワードとして、試合に出られることが一番でした」と胸中を明かしている。自身が起用されるポジションに強くこだわった理由は、ヴェルダー・ブレーメンで募らせ続けた不完全燃焼の思いに行き着く。 ブレーメンでの3年目となった昨シーズン。大迫は独ブンデスリーガ1部で24試合に出場しながら無得点に終わっている。当時のフロリアン・コーフェルト監督が「前線の選手としては見ていない」と公言する状況で、中盤での途中出場が続いた。 チームも5月22日の最終節で敗れて17位に終わり、41年ぶりとなる2部降格を喫した。招集されていた日本代表に合流するため、直後に帰国した大迫は「すっきりはしていませんけど、もう終わったことなので」と気持ちの切り替えを強調しながらも、来たる新シーズンへ向けてはこんな青写真を描いていた。 「シーズンを通してフォワードとしてしっかりと使ってくれるチームを、ヨーロッパで探すことを第一に目指していきたい。自分はフォワードとして評価される選手だと思っているし、一番自信を持っているポジションなので」 しかし、ブレーメンとの契約を2022年6月末まで結んでいた状況もあって、ヨーロッパにおける新天地探しは大迫が望むようには進まなかった。