梨田監督が描くオコエの山田化計画
楽天のドラフト1位、オコエ瑠偉(18)が18日、横浜スタジアムで行われた横浜DeNA戦でプロ初アーチをマークした。「1番・センター」でスタメン出場したオコエは、3回先頭打者として迎えた第2打席で、横浜DeNAのドラフト1位、今永昇太(22)の130キロ台のインサイド高めのストレートをフルスイング。「打った瞬間、行ったと思った。弾道を見て感触があった」と、レフト中段まで届いた特大のアーチの行方を確認しないまま、「オッシャー!」と叫ぶと、弾むようにしてダイヤモンドを回った。 第一打席は、ストレートに差し込まれポンとフライを打ち上げた。 「あれで球筋がわかった。今永さんは自信をもってストレートを投げ込んでくる人。最初の打席の反省を生かしストレートに絞っていた」という。 すでに要所で配球を読む術も身につけた。これまでは、狙い球が来ても、まだ打ち損じのミスショットが多く、「こんな状態ならホームランなどまだまだ」と語っていたが、この日は寸分違わずジャストミート。「これまでも上下のズレくらいだったから。バットがしっかりした角度でボールに入って捉えれば、ああいう打球になる」と、本塁打の背景を解説した。 「そろそろ出てもいい頃だと思っていた。(東京)ドームと、ここ(横浜スタジアム)は(狭くて)出やすいからね。チームに勢いのつくいいホームランだった」 2-0とリードを広げた価値あるアーチが勝利に結びつき、梨田監督もニコニコしっぱなしだった。 「試合前にヤクルトの山田の話をしていたけど、その通りになったね」 実は梨田監督は、試合前にベンチで、現在ホームランダービーを独走中で、トリプルスリーどころか40-40の勢いで突っ走るヤクルト、山田哲人(23)の姿を将来のオコエに重ねていた。 「理想は、ヤクルトの山田のようになってもらいたいんだ。ホームランを打って、長打が出るようになってくれば、3番を打てるようにね」 この6試合は1番を打たせているが、将来は、パンチ力も兼ね備え、トリプルスリーを実現できるような選手に成長してもらい、チームのクリーンナップを任せ球界の顔になってもらいたいというオコエの山田化構想である。そういう夢物語の矢先に、山田化への条件のひとつであるホームランが飛び出したのである。