最下位阪神の打撃不振理由は「調整の失敗」なのか?
「シーズンが始まっているが、若い選手の練習量を増やすなり、スイング量を上げていくことでカバーするしかない。新型コロナ感染予防のためホテル内での行動も制限されているのかもしれないが、一人でバットを振ることはできるはず。打順の入れ替えは、あくまでも応用編。バットが振れないと応用も利かない」 では、今後、練習量を増やして調整不足をカバー。打線全体に本来のバットスイングスピードが戻ってくれば、打線は上向くのだろうか。 橋上氏は、「厳しいようだが、どれだけの上積みを期待できるかは微妙。問題は4番を期待していた新外国人ボーアでしょう。外国人頼みのチーム編成では浮上は難しいのかもしれない」と調整不足にプラスして、新外国人、ボーアの可能性に疑問を投げかけた。 ボーアは、ここまで打率.184、1本塁打、2打点と苦しんでいる。巨人との開幕3試合目で4番から外れ、苦手としていた左腕の今永が先発した6月26日の横浜DeNA戦ではスタメンから外された。“カモ“にされていた左腕に対しては1日の中日戦で岡田から度肝を抜くような弾丸ライナーの来日1号を放っているが期待を裏切っている。 「ボーアは期待されているような数字をクリアすることは難しいのではないか。当てに行くようなバッティングになり、甘いストライクにも手が出ないのはタイミングが取れていない証拠だが、典型的なドアスイング。パワーはあるが、バットが外から回ってくるので、速いボールへの対応が厳しくなる。相手の失投、半速球しか打てないのではないか。また左腕の外角の変化球に対しては体が開きバットが届かない。外国人は時間がかかり、我慢することが大切だが、ボーアの場合、いいところを見つけるのが難しい」 橋上氏は、日本で外国人が成功するための条件を異国での生活習慣に慣れ、日本流の配球に対応することだと主張してきたが、「本来の打ち方そのものまでを改造することは無理」という意見だ。 雨で流れた3日の広島戦のスタメンでは、中日戦で存在感を示した上本を続けて2番で使い、サンズを復帰させ、ショートには木浪が起用されていた。今日4日は、2戦2勝の開幕投手、大瀬良が、そのままスライド登板してくる。「ナイター→デイゲーム」の異例のスライド登板が広島のエースにどんな影響を与えるのか。阪神につけ入る隙はあるのだが、「打たせて取る」大瀬良の術中にはまれば、暗闇を抜け出すことができなくなる。