なぜJFL鈴鹿所属”キングカズ”「まさかの」10.9新国立凱旋試合が実現するのか…クリアソン新宿が主催の舞台裏
日本フットボールリーグ(JFL)のクリアソン新宿は16日、FW三浦知良(55)が所属する鈴鹿ポイントゲッターズを迎える10月9日の第24節の試合会場を、AGFフィールドから国立競技場に変更したと発表した。J1から数えて“4部”にあたるアマチュアリーグの最高峰、JFLの公式戦が国立競技場で開催されるのは14年ぶり2度目で、改修後では初めて。東京23区内を本拠地とする初のJクラブを目指す新宿の熱意と、キングカズが放つ存在感が歴史的な一戦を実現させた。
「日本サッカーの聖地で、まさかリーグ戦を戦えるとは」
4025日もの歳月を超えて、キングカズが聖地へ帰ってくる。 JFLと新宿の両方から発表された、鈴鹿を迎える10月9日の第24節の会場変更。収容人員2800人のAGFフィールド(東京スタジアム西競技場)から、約6万8000人の国立競技場への変更は、カズにとっても青天の霹靂だったようだ。 ピッチに立てば横浜FC時代の2011年10月2日、コンサドーレ札幌戦で先発したJ2リーグ第30節以来となり、改修後ではもちろん初めてとなる国立競技場でのプレー。JFLを通じて発表したコメントで、カズは武者震いする胸中を言葉に変えた。 「このような機会を与えてくださったJFL、そしてクリアソン新宿の関係者の方々に感謝を申し上げます。JFLに来たときに、あのピッチにはもうオールスターや何かの記念試合でないと立てないと思っていましたが、日本サッカーの聖地といわれる国立競技場で、まさかリーグ戦を戦えるとは思いませんでした」 アマチュアリーグの最高峰に位置づけられるJFLの歴史を振り返っても、国立競技場での公式戦開催は一度しかない。2008年3月16日の前期開幕戦、横河武蔵野FC-アルテ高崎戦以来で、言うまでもなく改修後では初めてとなる。 鈴鹿を迎える新宿は、実はホームスタジアムを持っていない。 後半戦を破竹の11連勝で終え、大逆転優勝を果たした昨シーズンの関東サッカーリーグ1部では、駒沢オリンピック公園総合運動場、味の素フィールド西が丘、多摩市陸上競技場、赤羽スポーツの森競技場でホームゲームを開催。相手チームの本拠地でホーム戦を開催したケースも5度と、全11試合の半数近くを数えた。 クラブ史上で初めて臨むJFLでは、有料試合開催が可能なスタジアムを試合会場として手配しなければいけない。AGFフィールドで8試合、西が丘で3試合、そして3月19日のホーム開幕戦を戦った駒澤陸上競技場でホームゲームを開催するスケジュールを、鈴鹿を迎える一戦に絞って国立競技場に変えた。