なぜ秀岳館高校は問題を起こしたサッカー部の段原監督を厳重処分せずに本人は現職にしがみつこうとしているのか?
男性コーチによる部員への暴行事件から新たな疑惑や問題が次々と浮上し、5日にようやく記者会見を開いても騒動が収まらない熊本県八代市の私立秀岳館高校サッカー部で、段原一詞監督(49)に対する処分が宙に浮いた状態になっている。校長補佐も務める英語科教諭の段原監督は現在も自宅謹慎中だが、指導者としての責任を問われる形で、2001年から務めるサッカー部監督を実質的に更迭されたと11日発売の「週刊文春」が報じている。しかし、警察の捜査対象になっている関係で最終的な処分が先送りにされ、さらに段原氏から辞職を申し出ない限り教育者としての責任は問われない状況になっている。
「週刊文春」は実質更迭されていると報道
質疑応答を含めて2時間あまりにおよんだ5日の記者会見。段原監督を含めて総勢15人を数える、サッカー部首脳陣の刷新を問われた渡部久義教頭がこう答えていた。 「検討しています」 それを裏づける記事が、11日発売の「週刊文春」に掲載された。秀岳館高校を運営する学校法人八商学園の理事長も務める中川靜也校長(91)への取材を介して、2001年からサッカー部を指導してきた段原監督が実質的に更迭されていると報じた。 3年生部員に対する暴行容疑で書類送検された30代の男性コーチに続いて、指導者として不適切と判断された段原監督も自宅謹慎を科された状況で、白井勇教頭は古参のコーチを監督代行に指名。間近に迫っているインターハイ熊本県予選へ向けて、首脳陣13人体制でサッカー部の活動を継続させていると記者会見の席で明かしていた。 指導者としての責任を問われた段原監督に対しては、日本サッカー協会(JFA)の須原清貴専務理事が同校を訪れてすでに事情聴取を行っている。追ってJFAからも、公認指導者ライセンスの停止やはく奪を含めた処分が下される可能性が高い。 しかし、教育者としての責任は現時点で宙に浮いた状態になっている。 学校側が自宅謹慎を上回る処分を科していない理由のひとつに、段原監督が警察による捜査の対象になっている事情があげられる。 熊本県警八代署の署員が2日に同校を訪れ、部員が顔と実名を明かした謝罪動画がサッカー部の公式SNSへ投稿されるまでの経緯と、ネット上に流出した音声データの内容などに関して段原監督への任意の事情聴取を要請。中川校長が許可した。