給食のニンジン“異物”混入問題 「石英」が付着した北海道・富良野産ニンジンが自主回収に 一般流通の可能性も
福井市の学校給食で異物混入が相次いだ問題で、原因とされるニンジンは北海道富良野産で、異物は土壌に含まれる「石英」の可能性が高いことが分かった。石英が混入した恐れがある富良野産のニンジンは、食品衛生法違反のおそれがあるとして自主回収が進められているが、卸売業者は「県内のスーパーにも流通していると考えている」と学校給食以外への影響も示唆した。 【画像】ニンジンの“異物”は石英と判明
給食用のニンジンから相次いで“異物”が見つかる
ニンジンへの異物混入は11月13日以降、福井市内の学校やこども園などで10件、また19日には福井市以外の永平寺町給食センターでも1件、さらに2日には、坂井市の自校式給食の小学校1校でも確認された。
北海道富良野産のニンジンが自主回収に
11月29日、厚生労働省は、北海道・富良野地方卸売市場から卸売業・福井青果に出荷されたニンジン10キロ入り2902箱が食品衛生法違反のおそれがあるとして、自主回収の対象になっていることを公開した。 「畑の土壌に含まれていた硬い鉱物『石英』が収穫時に土と一緒にニンジンに付着し、輸送中にめり込むような形で混入した可能性がある、と回収の理由を説明している。 福井市保健所は給食で使用するニンジンの産地は公表しておらず、自主回収中の富良野産のニンジンとの関連については「依頼した自治体から報告を受けていないので、給食との関連性に関して答えることはできない」としている。
卸売業者「自主回収のニンジンはスーパーでも販売の可能性」
一方で学校給食センターにニンジンを供給している卸売業者・福井青果は3日、福井テレビの取材に対し、学校給食センタ―に納品していたニンジンが自主回収の対象に含まれていることを明らかにした。 さらに、影響は学校給食だけではない可能性が浮上した。福井青果は、回収対象のニンジンは「食品スーパーなど学校給食以外にも流通していることが十分考えられる」とし、県内のスーパーなどの店舗で既に販売されていて、一般消費者の手にもわたっている可能性が高いとした。 ニンジンを納品した富良野地方卸売市場は「収穫したニンジンは、生産者や集荷する工場で、野菜用の洗浄ブラシで水をかけて目視で異物を取り除くが、ニンジンに石英がめり込んでいると取り除くことが難しいこともある。ご迷惑をおかけしていることは重々承知している。確認を重視していく」とコメントしている。
「石英は飲み込んでも人体に影響なし」との見解
北海道の農業試験場は「富良野方面は火山の影響により土壌に石英が含まれているのはごく自然なこと。石英を飲み込んでしまっても人体に影響はない」と説明する。 福井市保健所は、問題となったニンジンの産地の自治体から3日に調査結果の回答があったが、その内容の一部に確認してほしいことがあり、再調査を依頼した。近日中に、これまでの調査結果と現状を報告するとしている。