あなたの休憩、「ぜんぜん疲れが取れない」休み方になってるかも...⁈ 現代人に必要な「攻めの休養」の取り方とは
疲れがなかなかとれない、寝ても頭がすっきりしない…そんな人は休み方を間違っている可能性が!? 少し前とは違う現代人ならではの疲労の正体と、その疲れをとるための休養法をいま一度考えてみよう。 【写真】睡眠のプロが解説する、快眠&朝すっきり起きられる16の習慣 話を伺った人…… 片野秀樹(HIDEKI KATANO):博士(医学)、一般社団法人日本リカバリー協会代表理事。株式会社べネクス執行役員。休養に関する社会の不理解解消やリテラシー向上を目指して啓発活動に取り組んでいる。著書に『休養学』(東洋経済新報社)など。 森田敦子(ATSUKO MORITA):日本における植物療法の第一人者、サンルイ・インターナッショナル代表。フィトテラピー普及医学協会のアジア唯一となる認定校「ルボア フィトテラピースクール」を主宰。著書に『自然のお守り薬』(永岡書店)など。
疲れ方が大きく変わった今、“本当の休み方”を見直そう
昭和から平成にかけてさまざまなものが機械化されて働き方は大きく変わり、肉体労働から頭脳労働の時代に移ったのは周知の通り。便利になったはずの世の中だが、「ここ25年ほどで疲労を抱えている人の数が逆に増えた」と医学博士の片野秀樹先生。 「1999年に厚生省が60代までの就労者を対象に疲労度の調査をした際、『疲れている』と答えたのは約6割。それが今は約8割の人が疲労を感じています。しかもここ数年で増えている傾向」(片野先生) その原因はパソコンとスマートホンの普及にある。 「ネットにつながれば、今はどこにいても仕事ができてしまう時代。一日にまわれる訪問先の数が限られていた昔と違い、オンラインなら何件もこなせてしまいます。楽になったかのように思えるけれど、その分詰め込みすぎて、余白がない状況です。スマホはさまざまな情報が次から次へと流れていきます。そのスピードが脳を疲労させないわけがありません」(片野先生) 「社会への不安も現代ならではの疲労の原因のひとつ」と話すのは植物療法士の森田敦子さん。「非正規雇用や少子高齢化の問題など、先が見えない将来に対して不安を抱えている人も多く、そのストレスが疲労物質をつくることも。そんななか人とのコミュニケーションはSNSが中心で、合理的ではあるけれどスピードについていけず、気持ちが疲れてしまったり、取り残されているような不安を感じる人もいます」(森田さん) そしてバザー世代ならではの疲労要因も指摘。「30代後半からホルモンバランスが乱れ始め、早い人では40代前半から更年期を迎える場合も。体やメンタルの変化が起こりやすい時期は、よりいっそう自分へのケアを見直さなくては」(森田さん)