あなたの休憩、「ぜんぜん疲れが取れない」休み方になってるかも...⁈ 現代人に必要な「攻めの休養」の取り方とは
睡眠だけではとれない、現代の疲労の正体とは?
疲れをとるためには睡眠がいちばん。でも寝ても寝ても疲れがとれないのはなぜだろうか? 「ひとつは睡眠の質が悪いこと」と森田さん。 「まず、夜遅くまでPC作業をしたり、スマホが手放せない人は、ブルーライトのために睡眠をつかさどるホルモンであるメラトニンがうまく発動しません。それだけでなく、頭は流れ続ける情報によって記憶を整理する“脳道”を使いすぎている状態。よい睡眠は脳を冷やすことによって得られるものなのに、不必要な情報によってオーバーヒートしたまま。ぐっすり眠ることができず、脳疲労をとることはできません」(森田さん) 「まず、“疲労”と“疲労感”の違いを知ることが大切」と片野先生。「走ったり暗算など、肉体的、精神的活動を続けていると1~2時間でパフォーマンスが落ちてきます。これが“疲労”。“疲労感”は自分が“疲労”していることをだるさやおっくうさなどで知るアラートです」(片野先生)。 例えば、犬の散歩で犬が突然座り込んでリードを引っ張っても動かなくなることがあるが、これこそ“疲労感”によって“疲労”を認識した状態。疲れがとれるまで動かないという動物の本能なのだ。 「ですが、私たち人間は脳が発達しているために“疲労感”をマスキングできてしまうんです。つまり、“疲労”しているにもかかわらず、“疲労感”を感じずに活動を続けることができるということ。責任感や使命感、達成感のために一時的にそういうことも必要かもしれませんが、それが続いたらどうなるか……自分が疲れていることを認めずに、活動を続けることで疲労が蓄積され、少し休んだくらいでは体が回復しなくなります。だから寝ても朝起きた時点で、すでに疲れているのです」(片野先生)
疲労回復のカギとなる、”活力”とは?
睡眠はもちろん大切。でも睡眠だけでは十分な休養をとれていない人が多いのが現実だ。それには休養のとり方に問題がある、と片野先生。 「活動する→疲れる→休養する→そしてまた活動する……このサイクルを私たちは繰り返しています。ですがひとつ足りないのが、疲労の対義語にあたる“活力”を養うこと。つまり休養したあとすぐに活動に入るのではなく、活力に満ちた状態までもっていき、再び活動する、というサイクルです」(片野先生) 森田さんも同意見だ。「日本人と海外の友人を比べて思うのですが、彼女たちはいつもパワーにあふれています。いい意味で自分ファーストでだれかと比較したりしない。いくつになっても恋する心を忘れずに女磨きに精を出している。恋愛だけではないですが、活力をみなぎらせる何かを日常的に行っているんです」(森田さん) では活力を高めるにはどうしたらいいのだろう? 「意外かもしれませんが、あえて軽い負荷を自分に与えると活力が高まることがわかっています。負荷といっても軽いもので、人から押し付けられるのではなく自分で決めることが大切。仕事とは関係なく、挑戦することで自分が成長できること、そして楽しむ余裕があるといいでしょう。だらだらと寝るだけの『守りの休養』だけではなく、積極的に休む『攻めの休養』をとることで、徐々に基礎体力が上がり、疲れにくい体づくりができます」(片野先生)