亀田和毅が「厳しい環境で自分を磨く」と“亀田一家離れ”を決断…兄・興毅氏ジムとの契約を解除し井上尚弥とのビッグマッチ狙う
ボクシングの元WBO世界バンタム級、WBC世界スーパーバンタム級暫定王者の亀田和毅(30)が所属先だった長兄の興毅氏(35)が会長、次兄の大毅氏(33)が副会長を務める「3150ファイトクラブ」(大阪市西成区)との契約を解除したことを12日、発表した。より厳しい環境に自分を置き、現役生活のラストチャンスに挑むのが理由だという。移籍先には兵庫県西宮市に今年4月に開設された「TRYBOX 平成西山ジム」が濃厚。“亀田一家離れ”を決意した和毅の再スタートに注目だ。
「ボクサーとして現役生活も残り少ない」
三十路の決断である。 亀田和毅は文書で、兄の興毅氏が会長を務める「3150ファイトクラブ」との所属契約を解除したことを発表した。「3150ファイトクラブ」は、興毅氏が、故郷の大阪で昨年3月に開設した新ジムで、和毅が所属第一号ボクサーとなり、昨年5月には大阪での同ジムの興行に出場していた。自業自得の部分も含め、これまで亀田家は数多くの苦難に襲われてきた。だが、3兄弟の結束にヒビが入ることは一度としてなかった。 では、なぜ亀田和毅は亀田一家から離れることを決意したのか。 発表された文書によると「私自身、15歳から単身メキシコにボクシング修行として海を渡り今日まで精一杯ボクサーとして活動して参りました。その中で今年31歳となる自分を客観的に見つめ、ボクサーとして現役生活も残り少なくなりメキシコに渡った当時と同じ思いで家族から離れ、自分自身の現役生活ラストチャンスに賭け、私自身の力でどこまでいけるのかチャレンジしたく」(原文ママ)、今回の決断になったという。 また「亀田家からも快く送り出していただきました」と、円満離脱であることをあわせて報告した。 興毅氏も文書で「和毅の残り少ないボクシング人生において、プロボクシングという競技は常に危険と隣り合わせであり、様々なリスクがある中で、ジムが運営停止を余儀なくされた場合等のリスクヘッジの意味でも二極化することがお互いの為になるという考えに至りました。いずれ将来的には双方が成長して強靭な体制となり、より強固な一枚岩になれればと思っています。そして、この決断は、和毅が新天地で再びチャンピオンに返り咲く、まさに“亀田和毅の再興”へのスタートだと信じています。 また、兄として、大切な弟を亀田家から送り出す事に心配もありましたが、和毅がここまで成長し、自分で考えて行動してくれたことを誇りに思います」とコメントを出した。 2019年7月にアマ時代に対戦経験のあるレイ・バルガス(メキシコ)とのWBC世界スーパーバンタム級の王座統一戦に敗れ、同暫定王座を失った亀田和毅は、昨年5月に再起。12月にはメキシコでWBA世界スーパーバンタム級の挑戦者決定戦を戦い、元WBA世界バンタム級暫定王者、同スーパーバンタム級10位のヨンフレス・パレホ(35、ベネズエラ)と対戦して3-0で判定勝利し、WBA世界同級スーパー、IBF同級王者のムロジョン・アフマダリエフ(27、ウズベキスタン)への挑戦権を獲得した。現状、アフマダリエフへの挑戦話は、具体的には進んでいないが、年内に実現したい考えで、世界返り咲きを果たすために、“亀田一家離れ”という環境を変えることを決断した。 「世界チャンピオンに返り咲く為、より厳しい環境で自分を磨き、家族、応援してくれる方々にもう一度チャンピオンベルトを巻く姿を見せられるよう、またその先のビッグマッチの実現に向け日々精進していく所存です」と綴っている。