タイソンも認めた天才!19歳ヘビー級の新星、豪快すぎるオーバーハンドで1R KO勝利「最年少世界王者」視野
12月22日(日本時間)サウジアラビアで行われたプロボクシング・[ウシクvsフューリー2]のセミでは、同ヘビー級のホープであるモーゼス・イタウマ(19=英国)が豪快すぎる左オーバーハンドで1R KO勝利。WBO6位にランクインし、世界戦も視野に入った。 【フォト&動画】ヘビー級”19歳”、豪快すぎるオーバーハンドKO!相手はリングを泳ぐように… 圧巻のパフォーマンスに、客席のマイク・タイソンが彼を呼び止め祝福、しかし”油断するな”と助言も与えるシーンも話題となった。 イタウマは22年のIBAヘビー級ユース世界金を獲得したアマチュアエリートで、Boxrecによるとアマ無敗。 昨年1月にプロデビューすると11戦無敗(9KO)、うち1RKOを7度、2RKOが2度と強烈な決定力を持ち、ヘビー級のホープとして期待されている。 今年5月にはWBOインターコンチネンタルヘビー級王座も獲得し、今回は2度目の防衛戦だ。 今回の相手は、試合前21勝(14KO)1敗のデムジー・マッキーン(34=オーストラリア)で、1敗は五輪銅で当時無敗のフィリップ・フルゴビッチに最終12RでTKOされたもの。 試合は互いにサウスポー、イタウマは軽やかにステップを踏み、右ボディストレートを入れる。そしてカウンターで、頭の上を通り過ぎるような豪快な左オーバーハンド一撃!相手はダウンするも、なんとか立ち上がる。 そしてイタウマは、またも右ボディからのオーバーハンドをクリーンヒット!相手は崩れ落ち、手足の自由が利かないようにリングでバタつく。陣営が棄権し、イタウマが1R1分57秒勝利した。 イタウマはWBOインター王座の防衛と共に、WBAインターナショナル ヘビー級王座も獲得した。 この鮮やかなKO劇に、リングサイド近くに座っていたタイソンが、退場するイタウマを呼び止める。 タイソンが「年に何試合するんだ?」と尋ねると、イタウマは「来年は8試合したいです、雑魚とじゃなくね」と返答。イタウマは今年4試合行っている。 タイソンは「どんな試合だって質の高い試合だよ。リングの中では何が起きるかわからないんだ『雑魚』なんて存在しないんだ。昔は自分も『あいつは雑魚だ』なんて言ってたけど、それもハードワークなんだ」と諭す。 イタウマは「どんな試合からでも学べます」とうなずくと、タイソンは「自分が一番学んだのは、負けた試合からだったよ」と伝えると、イタウマは礼を述べ握手した。 そのタイソンは20歳4ヶ月という、最年少での世界ヘビー級王座戴冠記録を持っている。イタウマはこれを破ることを目標としているが、今月28日で20歳の誕生日を迎える。 リミットまで、後4ヶ月。WBA,WBC,WBOでウシク、IBFでデュボアが王座を持っており、イタウマはWBO6位、WBA10位、IBF14位だ。 もし記録更新ならずとも「ヘビー級の未来」との声は大きく、イタウマが近い将来、世界王者になると見るファンは今回の試合でますます増えただろう。