『虎に翼』の家族とジェンダーから見えるもの。家制度の亡霊と、「いま」を描く物語(評:竹田恵子)
まだ十分見えないもの
このように見えにくいものを可視化してきた物語が、まだ十分に描いていないものとして在日外国人のイシューがあると思う。日本国憲法が定める「法の下の平等」に在日外国人は含まれない。名前を日本人風に「香子」と変え、出身を明かさない崔香淑(香子)は今後どうなるだろう。筆者は続きを心待ちにしている。 *本論考は『虎に翼』前半部分の第13週放送分までに関するものである。 参考・引用文献 岩間暁子ほか(2015)「第2章「近代家族」の成立」『問いからはじめる家族社会学』有斐閣:23-48頁 大沢真理(2007)『現代日本の生活保障システム―座標とゆくえ』岩波書店 落合恵美子(2021)『21世紀家族へ[第4版]』有斐閣 自民党憲法改正実現本部(2012)「日本国憲法改正草案(全文)」(chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://storage2.jimin.jp/pdf/news/policy/130250_1.pdf) 海妻径子(2022)「新自由主義以降の家族規範の変容とグローバル資本主義の展開―フェミニズムの新潮流」二宮周平・風間孝(編著)『家族の変容と法制度の再構築―ジェンダー/セクシュアリティ/子どもの視点から』法律文化社:26-42頁 NHK『NHKドラマ・ガイド 連続テレビ小説 虎に翼 Part1』NHK出版 筒井淳也(2015)『仕事と家族 日本はなぜ働きづらく、産みにくいのか』中央公論社 清永聡(編著)(2023)『三淵嘉子と家庭裁判所』日本評論社 吉田恵里香・豊田美加(2024)『連続テレビ小説 虎に翼 上』NHK出版
竹田恵子