「目玉ゼリー」「指クッキー」気持ち悪くておいしい怪奇菓子が話題「娘のキャラ弁作り阻止」で作った弁当がきっかけで
■試作の指クッキー「もっとリアルを追求したい」 ── たしかにお菓子なら見た目と味を両立できるかもしれません。お菓子も、やはり娘さんが試食したんでしょうか? ナカニシさん:娘に食べてもらおうと、指クッキーをコップにぎっしりさして、机の上に置いといたんですけど…、驚くかなと見ていたら、娘は指クッキーだとまったく気づかず、ボリボリ食べてしまいました。「これ、指なんだけど」と言ったら、「ふーん、そうだったんだ」みたいな反応で、めちゃくちゃ悔しかったんですよ。今度はもっとリアルに作ってやろうと、爪部分をアーモンドからピーナッツに変えたり、骨のゴツゴツ感を出すためにスティックタイプのプレッツェルを入れたりしました。
── 悔しさをバネに、リアル感を追求したんですね。ほかの方の反応はいかがでしたか? ナカニシさん:友だちの誕生日ケーキに、年の数だけ指クッキーをさして出したら大盛りあがりでした。多分、33本くらいかな。それをSNSに載せると「私にも作ってほしい」という声をいただいて、「目玉ゼリー」や「脳みそケーキ」を作りました。まさか商売にするとは思いませんでしたが、依頼が増えたので副業のような感じで、オーダーを受けることにしました。
── 当時、ナカニシさんは別の仕事をしていたのでしょうか。シングルマザーとして、娘さんをおひとりで育てていたんですよね。 ナカニシさん:はい。アメリカに語学留学して、アメリカではアニマルトリマーをし、帰国後は、ホテルのフロントや清掃の仕事を続けていました。お菓子はあくまで副業のつもりでした。
■限定100セットが一瞬で売り切れ「独立を決意」 ── 広く注文を受け始めて、反応はいかがでしたか? ナカニシさん:当時は、SNSのみで注文を受けていました。すると、Twitter(現・X)で拡散されて、バレンタインの限定100セットが数日で売り切れました。もともと、生活の負担にならないように受注制作にしていましたが、注文が入りすぎて、100セットこなせるかわからず、最初は不安でした。