歴代最強の元公安警察官を描いて「発売即重版」! 話題のクライム・アクションマンガ『ベアフェイス』はどうやって生まれたか?《インタビュー》
――勝丸円覚さんにはどんなことを中心に取材されましたか? 狛犬:メインで訊いたのは役職です。このキャラクターは◯◯歳の設定なのですが、この年齢でこの役職は不自然ですか? という具合に。年齢と役職問題って分かる人が読んだら一発で不自然かどうか分かりますよね。それこそ警察官の方とか。 ――公安の読者もいるかもしれませんしね。 狛犬:そういう部分を疎かにすると、そこからリアリティが剥げ落ちてしまう気がして。あと、元公安の勝丸さんだからこそお尋ねできたのは、公安を辞めたことでどんな危険な目に遭ってきたか、です。作中でふれているように、公安を辞めて民間人になってから「お礼参り」をされることは実際にあるらしく。そのあたりもたくさん訊いています。 ――『ベアフェイス』を読んだ勝丸さんの反応はいかがでしたか。 狛犬:「自分自身が斑鳩化されているみたいだ」という感想をいただいたのが、すごく嬉しかった。実は僕自身も取材をしながら、公安という大きな組織を離れて自分の力で生きていくことを選んだ勝丸さんは斑鳩に似ていると感じていたんです。 ――現実の人物とフィクションの人物が似通ってくる……面白いシンクロですね。作画についても質問させてください。アクションシーンを描くうえで大事にしている点は? 狛犬:画面の見やすさです。何が起こっているのか(読む人が)ちゃんと理解できるようなカメラアングルや(人物の)動き方になるように。できるだけ現実寄りに。あり得ない超人的なアクションは描かないようにしています。自分は格闘技の経験がないので、それだけにしっかり調べて描くようにしています。 ――取材などはされていますか? 狛犬:格闘技をしている知り合いに、実際に技をかけてもらっています。例えば1巻の第5話で斑鳩が襲撃者に十字固めをかける場面がありますが、僕も寝技の十字固めをかけてもらったんです。確かにこれは動けんわー、と実感しました。