歴代最強の元公安警察官を描いて「発売即重版」! 話題のクライム・アクションマンガ『ベアフェイス』はどうやって生まれたか?《インタビュー》
公安――それは選ばれし警察官のみで構成された警察組織。エリート中のエリートたちが集結する公安内で「歴代最強」「怪物」と呼ばれた男、斑鳩(いかるが)は突如として退職し、第二の人生を歩みだす。それは探偵業だった……。『ヤングキング』で大好評連載中のクライム・アクション『ベアフェイス ~公安を去った男~』(少年画報社)。コミックス第1巻は発売即重版となり、待望の第2巻が発売されたばかりの著者・狛犬はやとさんにインタビューをしました。
(取材・文=皆川ちか) ――――もともとマンガ家志望だったわけではなく、絵を描くのがお好きだったとのことですが。 狛犬はやとさん(以下、狛犬):はい。高校卒業後にイラストやアニメ、マンガについて学べる専門学校へ入り、次第にマンガを描くのが面白くなっていったんです。卒業後の数年間はバイトしながらマンガを描く生活を送っていました。ある日、専門学校時代の先生から『ザ・ファブル』の南勝久先生がアシスタントを探しているんだけど、やってみない? と紹介されて、南先生のもとで働くことになったんです。そこでいろいろ吸収して、プロデビューしようという思いでしたね。 ――その思いを実現し、本作でデビューされました。 狛犬:最初は少年誌を目指していたんです。だけどなかなか成果が出ず、自分としても描きたいものは少年マンガではなく青年マンガなんじゃないかと気づいていって。それでアシスタントの卒業期が迫ってきた頃あたりから、持ち込み先を青年誌に変えました。『ベアフェイス』の原型は当時から温めていて、少年誌では感触がよくなかったのですが運よく『ヤングキング』では気に入ってもらえました。 ――どんなマンガを描きたいと思っていましたか? 狛犬:僕は警察もののドラマや映画が好きなのですが、中学時代に「SPEC」(註1)にどハマりしたのが大きかったと思います。ちょうど最終回の放送日が修学旅行と重なってしまい、録画はしておいたんですが、旅行しながら「旅行してる場合じゃねえよっ」てじれじれしていたほど……。それくらい「SPEC」には何かを植えつけられました。一方で「踊る大捜査線」シリーズ(註2)もよく観てました。