「核シェアリングの議論も必要」大阪・吉村知事会見6月29日(全文4)
核シェアリングの議論が核廃絶の最短ルートなのか
毎日新聞:核廃絶に向けた具体的な展望、道筋を教えてくださいっていう質問に対しての今の回答、ちょっとどういうふうに理解していいのかがまだよく分からないんですけれども、核シェアリングの議論と、核廃絶すべきだっていうふうにおっしゃってるわけですが、そのための議論の関係というのをどういうふうにお考えなのかについてお聞きしたいんですけれども。一般的に核廃絶すべきっていうことと核共有を議論すべきだっていうことは、普通は矛盾し合うものかなと思うんですが、そして核廃絶から逆行するような議論かなとは思うんですけれども、ただ、核抑止論を有効だというふうにおっしゃってる、維新だったら吉村副代表のロジックなので、もしかしたら逆説的にも核共有の議論をするということが核廃絶にも何かつながるっていう考えもあるのかなとも思いながらお聞きしてるんですが、そこをちょっとクリアにしたくてですね。 核シェアリングの議論っていうのは、核廃絶の回り道になるということを覚悟の上で核シェアリングの議論をすべきだとおっしゃっているのか、逆に核廃絶に向けた最短のルートというか、手段になりうるというお考えなのか、最後、これをお聞かせください。 吉村:まず、世界との関係で見なければならないというふうに思ってます。世界全体が、五大国を含めて核保有、五大国自身が今、侵略してるわけですから、他国を。この事実を知らんぷりはやっぱりできないです。隣国です。なので、それはあまりにも政治家としては無責任だろうというふうに思っています。ですのでそう考えたときに、やはり世界の観点から見たときには、やはり核兵器というのは全廃していく、なくしていくというのもぜひ共通の価値観として進めていくべきだと思ってます。
中国やロシアは日本と同じ価値観ではない
でも中国やロシアは日本と同じ価値観ではありません。そして核兵器に対する価値観も違います。そういった国が軍事力を強化している中で、われわれの価値観を共有せよ、われわれの価値観と違うのはけしからんと言うのは自由ですけれども、ただ、彼らは彼らの価値観で行動する中で、われわれは日本国民、女性・子供を含めてどうやって守るのかということも政治家としては考えなければ、それこそ無責任だと僕は思います。 なので核シェアリング、これは実際に日本がつくるわけではありません。これはアメリカとの共有、最後の決定権はアメリカにとどまるということにはなるとは思いますけれども、そういった核を持つ隣国、中国・北朝鮮・ロシア、ここが軍事を、軍備を増強しているっていう現実も受け止めて、じゃあこれは日本がまったく軍備をどんどん減らしていったら中国・ロシア・北朝鮮が減らすかといったらそうじゃありません。そういう現実をやっぱり無視することは政治家としてはできないので。 そうなってくると、やはり最終的な核兵器というのは世界においてなくしていくべきだという、この理念は僕も持ってますし、それをどうやって実現できるかって難しい課題に取り組んでるわけですが、隣国がそういう状況になってくる中で、自国を守るということも、自国民を守るということも、これは国家としての絶対的に必要な責任だというふうに思ってますから、そういった観点からやはり中国・ロシア・北朝鮮、この国々の状況を考えたときに、やはり日本として防衛力を高めていくべきだと、総合的な防衛力、抑止力を高めていくべき。その中の1つにやっぱり核シェアリングの議論も必要だというふうに思っています。 毎日新聞:ごめんなさい、そうすると先ほどの質問に対する答えとしては、核廃絶に向けた動きには逆行することは覚悟の上で、現実を見つめて核シェアリングを議論すべきだと、こういう理解でよろしいですか。