異論噴出のJ1参入プレーオフ方式はどう変更すべきか?
すでにJリーグから発表されている2020シーズンの大会方式で、終わったばかりの今シーズンと比べて異なっている点と、変更される可能性のある点がひとつずつある。 前者はFC今治の加入が決まっているJ3リーグが、今シーズンより1増の19チームによるホーム&アウェイ方式で行われること。後者はJ1参入プレーオフの試合方式で、Jリーグからリリースされた資料には「決定戦の試合形式は調整中」と綴られている。 J1参入プレーオフへの参加クラブは変わらない。J2の自動昇格を逃した4クラブが3位vs6位、4位vs5位の形で1回戦を戦い、2回戦の勝者がJ1の16位との決定戦に臨む。今シーズンは試合会場は順位が上のクラブのホームで、90分間を終えて同点の場合は上位クラブが次のステージへ進んだ。 J1で16位になったクラブが組み込まれ、J1昇格プレーオフから現在の名称に変わったのが昨シーズン。J2の6位から下克上を成就させてきた東京ヴェルディがジュビロ磐田に挑んだものの、両者の実力差が大きく開いていたこともあり、ジュビロが2-0で快勝してJ1残留を決めた。 ひるがえって今シーズンはドローで決着がついた。J2の4位から勝ち上がってきた徳島ヴォルティスと湘南ベルマーレの激突は、前半20分にヴォルティスがセットプレーから先制。後半19分にはベルマーレが同点に追いつき、一進一退の攻防が繰り広げられた末にそのままタイムアップを迎えた。 レギュレーションによりベルマーレの残留が決まった直後の公式会見。6年ぶりのJ1昇格を逃したヴォルティスのリカルド・ロドリゲス監督の発言が、思わぬ波紋を広げた。 「このシステムはJ2には不公平だ。私たちは22勝したが、湘南ベルマーレは10勝しかしていない。もう一度(方式を)再考した方がいい」 プレーオフの3試合を含めた年間45試合で22勝12分け11敗の星を残したヴォルティスが、リーグ戦で6連敗、5連敗を喫するなど、同35試合で10勝7分け18敗だったベルマーレの後塵を拝した。レギュレーションに納得できない複雑な胸中を、努めて冷静な口調でメディアに伝えた。 しかし、カテゴリーが異なるリーグ戦における結果を比較するのは、まったく意味をなさない。もっとも、会場がベルマーレのホーム、Shonan BMWスタジアム平塚だったこと、延長戦やさらにPK戦が実施されなかったことに、スペイン人指揮官が訴えた不公平感は存在したのだろうか。 「本当に公平に戦うのならば、ドイツのブンデスリーガのように、J1の16位とJ2の3位による入れ替え戦が一番いい」 こう語るのはJリーグのナンバー2、原博実副理事長だ。