異論噴出のJ1参入プレーオフ方式はどう変更すべきか?
Jリーグでも2004シーズンから5年間実施されたJ1・J2入れ替え戦はホーム&アウェイ形式で行われ、2005シーズンにはヴァンフォーレ甲府が2戦合計8-3で柏レイソルを粉砕する、痛快無比な下克上を成し遂げた。 2009シーズンからはJ1の下位、J2の上位の3クラブずつが自動的に昇降格するシステムが採られたなかで、J2のクラブ数が上限として設定していた22に達した2012シーズンから、昇格する最後の3枠目をトーナメント形式で争う、前身のJ1昇格プレーオフが導入された。 第1回はJ2の6位だった大分トリニータが下克上を連発。試合終了間際の劇的な決勝点でジェフ千葉を撃破した決勝戦には、会場となった中立地の旧国立競技場に2万7433人のファンやサポーターが集結。興行的にも成功したことで、シーズン終盤の風物詩になった。原副理事長が言う。 「J2の最終節あるいはそのひとつ前までの段階で、ふた桁近いクラブがプレーオフに進出できる圏内に関わっているシーズンもあった。非常に面白いこともあり、J2のクラブの意見が『プレーオフ制度を絶対に継続させてほしい』という点で全会一致していた」 しかし、時間の経過とともに問題点も指摘されはじめる。トリニータを皮切りに、2013シーズンのヴォルティス、2014シーズンのモンテディオ山形、2015シーズンのアビスパ福岡と、昇格プレーオフの勝者がいずれも翌年のJ1で最下位となり、J2へのUターンを余儀なくされた。 J1クラブからも悲鳴が上がりはじめた。ヨーロッパの4大リーグと比較すれば、20クラブ体制のプレミアリーグ、ラ・リーガ1部、セリアAで下位の3クラブが自動降格しているのに対して、18クラブ体制のブンデスリーガ1部の自動降格は2クラブにとどまっている。 ブンデスリーガ1部と同じクラブ数のJ1で、3クラブが自動降格するシステムは厳しいのではないかと、各クラブの代表取締役で構成される実行委員会で指摘された。加えて、2012シーズン以降でACLを戦ったクラブのうち、ガンバ大阪、セレッソ大阪、柏レイソルが、その同年にJ2降格の憂き目にあっている。