E-1選手権VメンバーからW杯代表入りできる選手はいるのか…MVP獲得のドリブラー相馬が示した存在感
東アジアの頂点を競うEAFF E-1サッカー選手権の男子最終節が27日に豊田スタジアムで行われ、日本代表が3-0で韓国代表に快勝して4大会ぶり2度目の頂点に立った。勝利が必要だった日本は後半4分にMF相馬勇紀(25、名古屋グランパス)が頭で先制。19分にDF佐々木翔(32、サンフレッチェ広島)が、27分にはFW町野修斗(22、湘南ベルマーレ)が続いた。国内組だけで編成された今大会のメンバーから、カタールワールドカップ代表に食い込む選手は出てくるのか。
欧州遠征へ連れていきたいと選手がいたのか…「イエスです」
勝てば2018年7月の自身の就任以来、初めてとなるタイトルを獲得する一方で、引き分け以下ならば韓国に目の前で大会4連覇を決められる。大一番を快勝で制した日本の森保一監督へ、試合後の公式会見で二者択一の質問が飛んだ。 カタールワールドカップ前で最後の代表活動となる、9月下旬のヨーロッパ遠征へ連れていきたいと思えた選手が今大会でいたのかどうか。イエスかノーで答えてほしいと問われた指揮官は、迷わずに答えた。「イエスです」と。 初招集された11人を含めて、A代表の出場歴が「0」だった選手が半分の13人を数えた今大会。香港、中国両代表戦を含めた3試合で全員がピッチに立ち、目標として共有した優勝を勝ち取ったなかで、森保監督の目に留まったのは誰なのか。 アジア最終予選を戦ったDF谷口彰悟(31、川崎フロンターレ)とDF山根視来(28、同)以外で真っ先に名前があがるのが、3ゴールをあげて町野とともに大会得点王を獲得し、さらに大会MVPにも選出された東京五輪代表のドリブラー相馬となる。 4-2-3-1の左サイドハーフとして、香港戦と韓国戦に先発。アシストも2つマークしている相馬は、試合後のオンライン対応で今大会へ抱いていた覚悟を明かした。 「この大会に臨む前に、自分のなかで『チームのために結果を出す、自分の道を自分で切り拓く』とテーマを決めていた。3試合とも全力で気持ちを込めて、絶対に自分がやってやると、それをチームに還元しようと思っていた」 迎えた韓国との最終戦。両チームともに無得点で迎えた後半4分に、日々の練習の成果が出た。右サイドでボールを持ったMF藤田譲瑠チマ(20、横浜F・マリノス)と目が合った瞬間に、左ポスト付近のスペースへ思い切り走り込んだ。 「名古屋で毎日のようにクロスを上げてもらい、海外の選手みたいに強いボールをヘディングできるように狙っていた。半年間練習してきて初めて出ました」 身長166cmと今大会の招集メンバーでは最小兵の相馬が、ジャンプしながら体を目いっぱい伸ばす。ファーサイドを狙った藤田の山なりのクロスが、ゴール左上へ突き刺さる完璧なヘディング弾に変わった瞬間に、試合のペースも日本が握った。 ヨーロッパ組では4-3-3の左ウイングに南野拓実(27、モナコ)がいて、アジア最終予選を戦った過程で東京五輪代表の三笘薫(25、ブライトン)も一気に台頭した。右ウイングでは伊東純也(29、ヘンク)が絶対的な居場所を築いている。 ただ、南野はウイングプレーヤーではなく、アジア最終予選や先の6月シリーズでも左サイドが何度も機能不全に陥った。左右のウイングでプレーできる相馬が加われば戦力はさらに厚くなり、けがや出場停止など不測の事態にも対応できる。 南野や三笘、伊東になく、自身には搭載された武器も相馬は存分にアピールした。