E-1選手権VメンバーからW杯代表入りできる選手はいるのか…MVP獲得のドリブラー相馬が示した存在感
香港戦で直接フリーキックを叩き込んだ相馬は、韓国戦でも左コーナーキックから佐々木の追加点をアシストした。アジア最終予選や6月シリーズでは見られなかった、フリーキックやコーナーキックがゴールに結びつく瞬間を相馬はこう振り返る。 「守備でボールを奪うところの迫力や、サイドバックが上がったときに上手くついていくのが自分のよさだけど、プレースキックでもさらに自信を深めることができた」 相馬の先制点をアシストした藤田も、アピールに成功した一人となる。 フィールドプレーヤーでは今大会で最年少のパリ五輪世代の藤田は、ボランチとして先発した香港戦と韓国戦で威風堂々としたパフォーマンスを披露。ポテンシャルの高さを見せつけたなかで、特に韓国戦の後半のプレーに手応えを深めた。 「後半はけっこう余裕を持ってプレーできた。自分のところでテンポを上げるとか、得点に結びつくパスや自分で持ち運ぶボックス・トゥ・ボックスのプレーを出せましたけど、逆に奪い切れるところでボールを奪えなかったこともあったし、攻撃の部分でバックパスが多めになってしまったことは課題だと思っています」 町野のダメ押しゴールをさかのぼっていくと、ボールを受けるやいなや、左斜め前方にいたMF西村拓真(25、横浜F・マリノス)へスパッと通した藤田の鋭いパスに行き着く。GK鈴木彩艶(19、浦和レッズ)とFW細谷真大(20、柏レイソル)とともに、パリ五輪世代から今大会に抜擢した藤田を森保監督も高く評価した。 「本当によく動いて、アグレッシブにボールに絡む素晴らしい選手だが、すべての部分でまだまだ上げてもらって、もっといい選手に成長していってほしい」 ヨーロッパ組のボランチには遠藤航(29、シュツットガルト)を筆頭に守田英正(27、スポルティング)と田中碧(23、フォルトゥナ・デュッセルドルフ)、そしてセンターバックとの両方でプレーできる板倉滉(25、ボルシアMG)がいる。 彼らに柴崎岳(30、レガネス)が続くなかで、まだまだ伸びしろを持つ藤田は、大会登録メンバーが従来の23人から26人に増えた状況も踏まえれば、カタール大会以降の代表を見すえた人選としても十分にありうる。 もっとも、韓国戦後のオンライン対応で、カタール行きの可能性が高まったのでは、と問われた藤田は冷静沈着に自分の足元を見つめている。 「(カタールへ)行けたらいいですけど、そんなに簡単な壁ではないと思うので。ただ、この大会をきっかけに自信がついたのも事実なので、Jリーグでの活躍を続けていって、そういう日常を評価されてまた選ばれれば嬉しいと思います」