キャディー仲間からは「もったいない」…かつて実績のある2人からのオファーを断ったワケ【プロキャディー25年 梅ちゃんのツアー漫遊記】
【プロキャディー25年 梅ちゃんのツアー漫遊記】#13 キャディー仲間から「もったいない話だな」と言われた一件があります。 【写真】ゴルフ界の“ビジュアルクイーン”臼井麗香がコース新「63」の大爆発!前夜祭では「悩殺衣装」披露 7、8年ぐらい前だったでしょうか。2006年賞金女王の大山志保ちゃんが「来年は専属でキャディーをやってくれませんか」と声をかけてくれたのです。大山志保といえば、当時は通算15勝以上を挙げ、2016年リオ五輪日本代表です。「もしコンビを組んでたらたくさん優勝できてたのに」と仲間は言うのですが、すでに翌年は男女数人のプロと15試合ぐらいバッグを担ぐ約束があったので「年間で担ぐのは厳しいです」と事情を説明し、お断りしました。 実はその前年も、07年賞金女王の上田桃子ちゃんから、「来年は専属で」というお話があったのですが、同じ理由で実現しませんでした。2人からオファーをいただいたのは、確かシーズン終盤だったと思います。 「プロキャディーと選手は、どちらから仕事の話を持ちかけるのですか」とよく質問されます。結論から言えば、半々ですね。例えば女子ツアーの場合、開幕の「ダイキンオーキッド」から4試合は仕事が決まっていたとします。5試合目の「ヤマハレディース」は未定ですから、この試合でキャディーが決まっていない選手をSNSなどで探します。それで見つからない時はキャディー仲間に「ヤマハでキャディーを探している選手はいませんか?」と聞いてみる。「〇〇さんが探しているよ」と教えてくれたら、「梅原というキャディーが担ぎたいと言ってるが、話してみてください」と言って頼みます。 その選手から「梅原さん、お願いします」と連絡があれば「商談」成立です。 2週間前の男子のファイナルQT(下関)ではこんなことがありました。 当初は上井(邦浩)君のキャディーをやることが決まっていたのですが、前々回紹介したように、カシオワールドで奇跡的にシード入りを果たし、空いてしまいました。次に約束していた手嶋(多一)さんがまさかのサードQTで失敗。ファイナルQTは知っている選手が少ないので、キャディー仲間が頼りです。情報が入り、試合前日に急きょ松上和弘君とコンビを組むことになったのです。 20年ぐらいまでは、シーズンを通して1人の選手につきっきりの「専属契約」が多かったのですが、今はほとんどいないんじゃないかな。 最近の選手はいろんなキャディーを使いたいようだし、キャディーも1人だけについていると、しっくりこなくなった時にしんどくなりますからね。 それでも今だから言えることですけど、大山志保ちゃんや上田桃子ちゃんのバッグは専属で担いでみたかったなぁ。 (梅原敦/プロキャディー)