今日2度目挑戦!菜七子は女性騎手初G1制覇の歴史を刻めるか
JRA(日本中央競馬会)唯一の女性騎手、藤田菜七子(22、美浦・根本康広厩舎)が4日、さいたま市の浦和競馬場で行われる地方・中央交流重賞「JBCスプリント」(ダート1400メートル)にコパノキッキング(4歳セン馬=栗東・村山明厩舎)とのコンビで統一G1初制覇に挑む。ファンも女性騎手初の歴史的快挙に期待して前日売りの最終オッズでは2番人気に支持された。2月のG1フェブラリーステークスでは5着に敗れたが、前走の東京盃を逃げ切り重賞初制覇。自信をつけた菜七子がダートスプリントの最高峰レースで歴史を塗り替えることができるのか?
JRA7週連続勝利の経験と成長
歴史を刻む。待望のG1初制覇の舞台が整った。 デビュー4年目。”JRAのヒロイン”藤田菜七子の目下の充実ぶりは著しく、完全に”ゾーン”に入ったと言っても過言ではない。 10月2日、東京・大井競馬場で行われた東京盃(ダート1200メートル、交流G2)をコパノキッキングとのコンビで逃げ切り勝ち。圧倒的な1番人気に応え、2着に4馬身差をつけた。藤田騎手にとっては24回目の重賞挑戦(中央19回、地方5回)で念願の重賞初制覇。JRA女性騎手として初の快挙でもあった。 「大井の直線がこんなに長く感じたのは初めて。すごくホッとした気持ちと、とてもうれしい気持ちです。続けて乗せてくださった多くの関係者に感謝したい」 菜七子スマイルとともに感激の余り、涙もこぼしたが、レースぶりはしたたかだった。 作戦は陣営に任されていたというが、ハナを切る積極策を仕掛けて逃げ切った。 バックアップを惜しまない風水師の”Dr.コパ”こと小林祥晃オーナーも「馬も菜七子も風水的に運も良かった。だから、いつもは指示するけど”好きに乗れ”と言った。100点満点です」と喜色満面だった。 これが菜七子の修正力である。フェブラリーステークス(5着)で抜てきされてから東京スプリント(2着)、クラスターカップ(3着)と交流重賞で悔しい敗戦を続ける中で、コパノキッキングとの信頼関係を築き上げ、自信をつかんだ。 その後の成長は凄まじい。10月5日の新潟では1日4勝を挙げ、JRA女性騎手の1日最多勝記録を更新。同27日に終了した今年の新潟競馬では計20勝を挙げ、年間リーディングに。また第3回新潟開催としても9勝を挙げ、Wリーディングを手にしている。JRAで女性騎手が競馬場別のリーディングを獲得したのも初。年間13勝で2位の戸崎圭太騎手がほぼ半分の騎乗数だったとは言え、トップジョッキーと比べても遜色ない勝率だった。