イプシロンロケット2号機打ち上げ準備状況説明会(全文2)高性能でコンパクト
打ち上げの準備状況
ちょっと分かりやすいのか分かりにくいのか、よく分からないんですけれども、内之浦の作業の様子を順番に書いてあって、まず格段モーター、1段、2段、3段がばらでやってきます。で、それぞれのステージ、1段目、2段目、3段目というのをそれぞれに組み立てて点検します。点検というのはだいたい電気系の点検ですね。それからそれが終わるとついにロケット全体を組み立てて、点検して、リハーサルして、打ち上げる。そういう運びになるんですけれども、現在、全段の組み立てっていうのが終わった状態。要はロケット、イプシロンの2号機がすでに内之浦の整備棟の中で打ち上げるときと同じ形に今、組み上がっているんですね。 で、今後の作業としてはその組み上がった状態で点検を行って、リハーサルをして、打ち上げるという、いよいよイプシロン2号機の準備も最終コーナーを回ってきたというところですね。これが証拠の品の写真なんですけれども、いろいろ皆さんに訴えたい新しいポイントがたくさんあるんですけれども、今日は時間の関係ではしょりたいと思いますけれども、種子島から第1段ロケットを内之浦の漁港に運んでというところから始まって、ちょっと写真としてはないんですけれども、全段が今、ようやく組み上がった状態という運びになります。よろしいでしょうか。すいません、少し、あと数枚です。 で、イプシロンのマーキングなんですけれども、ちょっと変えています。3点ばかりポイントがあって、1つは、試験機のときは表側、片側しかマーキングがなかったんですけれども、今回は裏側にもマーキングして、ロケットが整備棟から出てもちゃんとマークが見えるようにしたいというふうに思っています。それから一番大きなところというかな、2段目のロケットにこういう赤い三角のマークを付けてみた。ちょっとこの模型は間に合わなかったんですけれども、そうしてみた。で、このダブルアロー、二重の矢というふうに呼んでいるんですけれども、2つ大きな意味があって1つはわれわれの思いなんですけれども、先ほどからお話ししているようにイプシロンは成長するロケットです。そういう意味でこれからどんどん成長して、日本の宇宙開発利用を盛り上げていきたいと、そういうイプシロンの革新性がこれからも続くということを表わそうとして、矢でもってその向きを表現してみた。 それからもう1つは、これは内之浦という、われわれの愛する射場があって、内之浦という町があるんですけれども、今は肝付町という大きな町の一部になっているんですね。で、その肝付町の名物として流鏑馬、馬に乗って弓矢を引いて的を射るというそういう伝統工芸があったりするんですけれども、その流鏑馬が肝付町の名物ということで、この弓矢がそれを象徴しているということですね。簡単に言うと伝統と革新の融合を表わしているマークというふうにお考えいただければいいと思います。 そして最後になりますけれども、ちょっと細かいんですけれども、もともとの固体燃料ロケットの愛すべきカラーとして赤い線が引いてあって、その横の線がグレーだったんですけれども、今回これを紫色に変えた。で、意味は書いてあるとおりなんですけれども、要は紫外線から赤外線まで、スペクトルの端から端まで。要はイプシロンがスペクトルのものすごい広い範囲で宇宙開発利用に貢献するんですよっていうことを言っているんですね。要はこれまでの宇宙科学の衛星だけではなくて、宇宙利用の衛星も上げていきます。例えば3号機ではASNAROっていう地球観測衛星を上げるんですね。それから国内の衛星だけではなくて国外の衛星も打っていこう。そういうイプシロンがこれからさらに活躍の場を広げていくっていう思いを込めて、ちょっと紫色にしてみたんですね。 さて、それから、これは応援メッセージなんですけれども、試験機のときと同じように応援メッセージ、募集しまして、これ内之浦の町と協力して進めたんですけれども、皆さんからたくさんの、7000件近い応募がありまして、それを先ほどのダブルアローですね。2段目のロケットに付いている、この赤い矢印の先端のところに、こうやって皆さんのいろいろな思いを小さなマークにして埋め込んでみたというところですね。こうして皆さんの夢と一緒にイプシロンも飛んでいくということを試験機以来の伝統として進めたいと思うんですね。 さて、いよいよ打ち上げる衛星はERGというジオスペース衛星で、これは別途衛星のほうのご説明があったので詳細は省きますけれども、地球の周りの磁気圏とかヴァン・アレン帯の観測をする衛星。いわゆる宇宙研の科学衛星ですね。イプシロンはM-Vまでの固体燃料ロケットの最新鋭機で、これまでどおり科学衛星、打っていくわけですけれども、SPRINT-A、ひさきという望遠鏡衛星、惑星望遠鏡衛星、打ちましたけれども、そのあとを継ぐ科学衛星。2番目ということで期待は大きいと思いますね。