イプシロンロケット2号機打ち上げ準備状況説明会(全文2)高性能でコンパクト
振動と音の影響を小さく、世界最高レベルに
それからちょっとこれは細かいんですけれども、先ほど試験機で成し遂げたことっていうことの中にいくつか大事なお話を私はしていて、1つは振動を抑制する装置をつくって振動環境を世界最高レベルに上げました。それから地上の設備を工夫して、発射するときの音の振動、音の影響を小さくする、そういった取り組みにも成功しました。その音の影響というのも世界最高レベルに、非常にマイルドなんですね。 残りは何かっていうと衝撃なんですね。要は人工衛星をロケットから分離するときに結構大きな衝撃があって人工衛星は苦労するんですけれども、そういったものをなるべく低減してやろうというようなことを考えていて、ちょっとこの絵だけでは見にくいんですけれども、ロケットと人工衛星というのは実は金属のバンドで留めてるんですね。金属のバンドで留めてあって、それを現在では火薬の力で引きちぎってる。火薬の衝撃って結構大きいんで、衝撃レベルって結構大きい。それを今、われわれは電磁石っていいますか、電気を流すと機械的にメカが動いてこのバンドの拘束が外れるような、そんな仕組みを作ろうとしています。 火薬に火が付いて、バンというのはもうほとんど瞬時の世界なんですけれども、電流流してメカを動かして分離するっていうのは結構ゆっくりの動作なんですね。ですから衝撃はその分小さくなる。これを今開発中で、これはイプシロンの2号機ではなくて3号機を目指して今、開発してるんですけれども、これができると衝撃も世界最高レベルということで、振動、音響、衝撃が、イプシロンの3号機になると3つとも世界最高レベルになるのかなと思ってるんですね。 さて、これは細かい話の緒言がいっぱい書いてあって、ちょっと説明してもしょうがないので、皆さんお手元の資料をあとでお読み取りいただきたいんですけれども、全長としては26メーターと書いてあって、これはイプシロン試験機に比べて1.6メーターぐらい背が伸びてる。イプシロンは成長するロケットと言っていますけれども、ついに背まで伸びたという状況ですね。あと、これもちょっと細かい話なんで皆さんお手元の資料をあとで見ていってほしいんですけれども、さっき振動と音響のレベルが世界最高レベルに良くなったっていうことをお話ししましたけれども、その証拠の品が書いてあります。これは試験機で成し遂げたことですね。 さて、以上イプシロンの開発コンセプト。要は高性能でコンパクトなロケットデザインというコンセプトから始まって、試験機開発でどんなことがなされたのかということをおさらいしたわけですけれども、いよいよこれから、それからそれを踏まえて進めている強化型イプシロンの開発の中身についてお話ししましたけれども、現在、その機体の準備状況についてお話ししたいと思います。