イプシロンロケット2号機打ち上げ準備状況説明会(全文2)高性能でコンパクト
アビオニクスの改革も進めていきたい
ロケットのコストをこれからどんどん下げていこうとすると、やっぱりこういう搭載電気製品、アビオニクスと呼んでいますけれども、そういったアビオニクスを構成している部品をどんどん最新のものに置き換えてくる必要がある。最新の部品というのは実績がないから怖いんですけれども、小さくて軽くて安い、三拍子そろってるんですね。こういうものをいかに上手に使っていくかというのがこれからのロケット開発の鍵で、イプシロン2号機では一番難しそうなところでそれをやったということで、これからのロケット開発にこれまたいいお手本になっていくと思うんですね。ちなみに、この半導体リレーはまだ宇宙用の高い部品を使ってるんで、次の段階ではその辺で売ってるような部品でつくったらどうかって考えたりしてるんですけれども、そういうような形でどんどんアビオニクスの改革っていうのも進めていきたいと思ってるんですね。 それから次は構造なんですけども、ちょっと構造は細かくなるんでさらっといきたいんですけれども、要はいくつもたくさん部品があって、それを現場で組み立てていますというのがいろいろあったりするんですけれども、そういうものを一体成形といいまして、もう最初から工場で組み立てた状態で作って内之浦に持ってくる。そうするとがらっとロケットの組み立てが簡単になるんですね。 将来は本当にプラモデルを作るように、ロケットを簡単に造れたらいいなということで、われわれはいろいろな改革を進めてるんですけれども、例えば一番右側なんですけれども、これはロケットの1段目と2段目をくっつけるジョイントなんですけれども、従来はアルミの組み立て構造で、しかも円筒形と円錐形の部分がごちゃ混ぜになっていた。それをわれわれは真っすぐな円筒形の、しかもCFRPの一体構造にした。こうすることによって製造性がすごく簡単になるんですね。なにしろ部品が1個になりますから組み立て簡単。しかもCFRPにすると重さも軽くなって性能も上がる。要は製造性が良くなってコストが下がるだけではなくて性能も上がってくる。そういったことがこれからのロケット開発のコンセプトとして重要かなということで、イプシロン2号機でもやってみたんですね。