油井宇宙飛行士がいるISSを見上げよう 7月31日から日本でも肉眼でチャンス
日本人10人目の宇宙飛行士・油井亀美也(ゆい・きみや)さんが7月23日から滞在している国際宇宙ステーション(ISS)。実は地上からも肉眼で見ることができ、7月31日(金)~8月3日(月)にかけてチャンスが集中しています。
特に7月31日(金)の夜8時半過ぎは、ISSが日本列島上空をなぞるように横断していくので、全国的に好条件。翌8月1日も土曜日の夜7時40分ごろという絶好の時間帯に、関西から関東、東北にかけての広い範囲で見ることができます。 明るい光の点が宵の空を動いていく様子を眺めながら、「ISSから地球はどんな風に見えているのだろう」「油井さんはあそこで今、何をしているのかな」と思いを馳せてみてはいかがでしょう。
ISSって何?
ISSは国際宇宙ステーション(International Space Station)の頭文字。太陽光パネルが設置され、中央部分には居住スペースや実験棟などがあります。地上400kmの高さにあり、約90分間で地球を周回しています。現在、油井さんを含む6人の宇宙飛行士が滞在し、微小重力状態や大気圏外の宇宙環境をいかしたさまざまな実験が行われています。
ISSはなぜ、どんな風に見える
ISSの400kmという高度は、東京-大阪間の直線距離に匹敵します。そして、ISSの大きさは、ちょうどサッカー場くらい。大阪にあるサッカー場が東京から見えるのか、と考えてみると、少し難しそうな気がしますよね。ではなぜ、ISSは地上から見えるのでしょうか? それは、ISSが太陽の光を浴びている時に、光を反射して明るく輝くためです。
遠くにあるため、肉眼で形は分かりません。また、いくら明るく輝くといっても、空が明るい昼間は見えません。そして上空を通過していても、太陽の光を浴びていなければ、見ることはできません。
地上は日が暮れたけど、上空にあるISSには太陽光が当たっている。そんな時に、夜空を横切る光の点として見ることができるのです。(夜空に月が輝いて見えるのと同じ理由ですね。ただし月よりも近くにあるため、地球の影に入って太陽光が当たらない時間帯が多く、好条件で見られるのは日没後や日の出前になります) 見え方の特徴は、(1)とても明るい星のような光の点が、(2)飛行機くらいの速さで、(3)ただし点滅することなく──夜空を進んでいきます。好条件の時には木星や金星より、つまり、夜空で一番明るく見える星よりも明るくなります。