「分からないから、決めていいよ」と全て妻に任せる夫。パートナーとの距離感やすれ違いに悩む夫婦の物語を描いた漫画5選【書評】
夫婦関係は、時間とともに変化していくもの。お互いに理解し合うことが求められる一方で、互いの距離やすれ違いの問題がついて回るのが現実だ。 【漫画】『夫と心が通わない カサンドラ症候群で笑えなくなった私が離婚するまでの話』を読む 本稿では、そんな夫婦間の悩みや心の葛藤をリアルに描いた漫画5選をご紹介。ただのエンターテインメントにとどまらず、読者が人生を見つめ直すきっかけになる貴重な作品が揃っている。もし今、パートナーとの関係に悩んでいるなら、ぜひ手に取ってみてほしい。 まとめ記事の目次 ●夫と心が通わない カサンドラ症候群で笑えなくなった私が離婚するまでの話 ●離婚してもいいですか? 翔子の場合 ●今日から別居します 産んだら夫を嫌いになりました ●離婚まで100日のプリン ●無職の夫に捨てられました
夫と心が通わない カサンドラ症候群で笑えなくなった私が離婚するまでの話
近年、大人の発達障害に関する認識が高まっている。それにともない、発達障害のあるパートナーとの関係で困難を感じている人々の抱える孤独にも、徐々に注目が集まるようになった。
『夫と心が通わない カサンドラ症候群で笑えなくなった私が離婚するまでの話』は、発達障害特性のあるパートナーと関係を築く中で、コミュニケーションのズレや理解不足による深刻なストレスを抱えた状態「カサンドラ症候群」になってしまった妻の物語だ。 主人公・アコは、元々笑顔の絶えない、明るい人物だった。夫・ユーマとの結婚生活は、初めこそ平和そのものだったが、アコはユーマとともに暮らす中でだんだんと自分の感情が変化していくことに気づく。 夫婦生活におけるどんな場面でも、「察する」「気持ちを汲み取る」ということを一切しないユーマ。最初は小さな違和感から始まったが、それはしだいに大きくなり、ついには耐え難いものに。最終的には離婚という選択をしたアコは、「カサンドラ症候群」というものを知ったことですべてが腑に落ち、心が軽くなったという。 本書で紹介されるエピソードや、専門家からのアドバイスは、カサンドラ症候群に悩まされている人々にとって貴重な支えとなるはずだ。他者の経験談や同じような状況にある人々の声を聞くことで「自分だけが悩んでいるわけではない」と実感し、安心感を得ることができるだろう。ぜひ本書を手に取り、パートナーとより健康的な関係を築くための一歩を踏み出してほしい。