【Cycle*2024 ツール・ド・フランス2024 レースレポート:第13ステージ】アタックとキャッチの繰り返し 消耗戦からのスプリントはヤスペル・フィリプセンが制す「今日はツールに入ってから一番調子が良かった」 前日落車負傷のログリッチはリタイア
ただ、そう易々と集団だって容認はしない。25km地点を過ぎようかというタイミングで、ワウト・ファンアールト(ヴィスマ・リースアバイク)が猛然とスピードを上げた。ヴィスマトレインが集団前方を固め、分断を図る。前のグループに乗り込んだのは10数人。マイヨ・ジョーヌのタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)や、マイヨ・ブランのレムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ)ら、個人総合上位陣も先頭交代に加わった。
とにかく慌ただしい。後ろではイネオス・グレナディアーズが大急ぎで追走。10kmもいかないうちに、なんとかポガチャルらを引き戻している。
これらのはるか後ろでは、フアン・アユソ(UAEチームエミレーツ)が苦しんでいた。検査で新型コロナウイルスの陽性反応を示しており、チーム本隊とは別で食事の席を設けるなど、すでに隔離状態にあったという。ウイルス濃度が低かったことから出走には至ったが、とても走れるような状態ではなかった。やがてバイクを降りてリタイア。ポガチャルは重要な山岳アシストを失うこととなる。
「彼のリタイアは本当に残念。チーム内で体調を崩していたのは彼だけなんだ。今のところ他のメンバーは順調だよ」(タデイ・ポガチャル)
レースに話を戻すと、やはり先頭グループが十分なリードを得るのは難しかった。一度は1分差まで広がったものの、再び数十秒にまで縮まっている。70km地点を前に、マグナス・コルト(ウノエックスモビリティ)、ジュリアン・ベルナール(リドル・トレック)、ミハウ・クフィアトコフスキ(イネオス・グレナディアーズ)、ロマン・グレゴワール(グルパマ・エフデジ)が新たな逃げグループを作って、ようやく1分30秒ほど前を走ることが許された。
この間、88.5km地点に設けられた中間スプリントポイントは逃げていたメンバーが15位通過までを占めている。のちに第2グループを走っていた選手たちは集団へと戻って、おおよそ1分のギャップで4人が逃げ続けている。
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