【Cycle*2024 ツール・ド・フランス2024 レースレポート:第13ステージ】アタックとキャッチの繰り返し 消耗戦からのスプリントはヤスペル・フィリプセンが制す「今日はツールに入ってから一番調子が良かった」 前日落車負傷のログリッチはリタイア
165.3kmにわたる熾烈な追いかけっこ。静と動がはっきりしていたこれまでの平坦ステージから一転して、アタックとキャッチの繰り返し。風による集団分断も起こった。大会半ばを走る選手たちにとっては、フィジカル的にも、メンタル的にも、厳しい1日だったことだろう。 【ハイライト】ツール・ド・フランス 第13ステージ|Cycle*2024
そんななかで、「ツールに入ってから一番調子が良かった」というヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク)。スプリント勝負になったステージ優勝争いを制して、今大会2勝目を挙げた。
「スタートから全力でプッシュし続けて、一度もペースをが落ちることはなかった。横風がレースを活発にさせたね。難しいレースだったけど、うまく走ることができたよ」(ヤスペル・フィリプセン)
ここ数日の不安定な天候は、強い風を呼んだ。1日のうちでも天気の変化が激しく、前夜には強い雨が降っている。その風は、第13ステージのレース展開にも影響することとなる。
嵐のごとく衝撃の情報がスタート地に駆けめぐった。プリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)の未出走。前日のステージ、フィニッシュ前12kmでのクラッシュに巻き込まれ、肩付近を負傷していた。前々日の第11ステージでも、終盤のダウンヒル区間で落車している。24時間以内に2度も地面に叩きつけられたのだ。チームによれば脳震盪や骨折の心配はないとしているが、複数の落車による心身のダメージを考慮。“ビッグ4”の一角が大会を離脱した。
ヘスス・エラダ(コフィディス)の未出走や、前日3選手のタイムアウトも関係し、レースに臨んだのは161人。
リアルスタートが切られてすぐに大人数の先頭パックが形成された。風の影響もありそうだ。分裂するかのように逃げの選手たちが前へと急いだ。リーダーチームのUAEチームエミレーツは個人総合8位につけるアダム・イェーツを、最大のライバルであるヴィスマ・リースアバイクはヤン・トラトニクをそれぞれ先頭グループに乗せる。さらにマチュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク)も入って、最大22人まで膨らんだ。
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