【Cycle*2024 ツール・ド・フランス2024 レースレポート:第13ステージ】アタックとキャッチの繰り返し 消耗戦からのスプリントはヤスペル・フィリプセンが制す「今日はツールに入ってから一番調子が良かった」 前日落車負傷のログリッチはリタイア
「ラポルトとワウトをチェックしながらスプリントのタイミングを探っていたんだ。特にラポルトは完璧な仕事をしていたけど、彼らの後ろのポジションを押さえられたのが勝利につながったね」(フィリプセン)
2位にはワウト、3位にパスカル・アッカーマン(イスラエル・プレミアテック)と続いて、ギルマイは4位。前日終了時に100点以上の開きとなっていたマイヨ・ヴェール争いは、フィリプセンのステージ優勝で75点差まで縮まった。ただ、スプリンターにチャンスのあるステージは実質残り1つ。第16ステージしか残されていない。
「マイヨ・ヴェールのことはあまり考えていない。スプリンターのチャンスは1つしか残っていないし、ギルマイがかなり強い。大会前はジャージ防衛が目標だったけれど、調子があまり良くなかった時点で別のねらいに切り替えたんだ」(フィリプセン)
フィニッシュ前のクラッシュによって崩れたメイン集団は、救済措置によってトップと同タイムに。個人総合上位の並びはログリッチとアユソが離脱した分の変動のみで、ポガチャルのトップは変わっていない。マイヨ・ジョーヌみずからスプリントに挑んでいて、ステージ9位で終えている。
「調子が良かったからスプリントをしてみたんだ。平坦ステージでトップ10フィニッシュは悪くないよね。重要だったのはトラブルなく走り切ることで、今日はその目的を果たせたから満足だ」(ポガチャル)
ちなみに、このステージの平均時速48.821km。ツール史上8番目の高速レースであった。
いよいよ、ツールはピレネーへと足を踏み入れる。トゥルマレ、プラ・ダデ、伝説の2つの超級山岳を上る。そして今大会初めての頂上フィニッシュ。マイヨ・ジョーヌをかけた争いは、新たな局面を迎えることとなる。
●ステージ優勝 ヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク)コメント 「とても満足している。今日はスプリントで勝つ自信があったんだ。狙い通りに勝てて本当にうれしいよ。ツールの前半は調子が良くなかった。失敗を取り戻せたかどうかというとまだ足りないような気がするけど、ステージ2勝は悪くないね。 マイヨ・ヴェールについてはあまり考えていない。スプリンター向けのステージは残すところ1ステージしかないし、いまある点差を埋めるのはさすがに難しいと思う。ギルマイはステージ3勝していて、ここまでは素晴らしい走りを見せている。ツール前はマイヨ・・ヴェールを目標にしていたけど、調子が良くなかった時点で別のねらいに切り替えたんだ。 チームからリタイア者が2人出ていることはとても悲しい。6選手でのレースに適応していくほかないね。シャンゼリゼでフィニッシュしないこともスプリンターとしてはとても惜しいよ。第16ステージでスプリントをしてから、残る5ステージ…そのうち4つが山岳と丘陵のステージだから、気持ちをどう持って行こうか正直悩んでいるんだ」
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