【Cycle*2024 ツール・ド・フランス2024 レースレポート:第13ステージ】アタックとキャッチの繰り返し 消耗戦からのスプリントはヤスペル・フィリプセンが制す「今日はツールに入ってから一番調子が良かった」 前日落車負傷のログリッチはリタイア
吹き付ける強い風は、再び攻撃戦を誘発する。フィニッシュまで60km以上を残してヴィスマ・リースアバイクが再度のスピードアップ。当然ここもポガチャル、レムコ、ヨナス・ヴィンゲゴー(ヴィスマ・リースアバイク)ら上位陣が加わり、ペースアップに同調する。メイン集団は40人ほどまで減り、序盤から逃げていたマチューのほか、マーク・カヴェンディッシュ(アスタナカザクスタン)らは後ろへ下がって完走を目指す姿勢に切り替えている。
この分断で前線に入ったメンバーは勢いのままに先頭4人に追いついたが、しばらくして後続選手たちも合流。カウンターでリチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト)とトビアス・ヨハンネセン(ウノエックスモビリティ)がアタックした。
しばし先行した2人だったが、残り20kmを前に集団へと戻される。また新たなアタックがかかって、ヤスペル・ストゥイヴェン(リドル・トレック)、ブレント・ファンムール(ロット・ディステニー)、ファビアン・グルリエ(トタルエネルジー)が逃げる。のちにグルリエと入れ替わってクリストフ・ラポルト(ヴィスマ・リースアバイク)とマチュー・ビュルゴドー(トタルエネルジー)が先頭に加わったが、ほどなくして集団がキャッチ。その後の散発するアタックもすべて封じられている。
80人ほどの集団で最終局面へと向かう。勝負はスプリントへ。残り2kmを切って、マイヨ・ヴェールのビニヤム・ギルマイ擁するアンテルマルシェ・ワンティのトレインが上がってきた。それに呼応するように、アルケア・B&Bホテルズもアルノー・デマールを引き上げる。
フィニッシュ前600mで発生したクラッシュで、集団が崩れる。先頭に残ったのは15人程度。ワウトが先頭からスプリントできる態勢を整えるが、リードアウト役のラポルトが残り300mで外れ、早掛けを余儀なくされた。これをチェックしていたフィリプセンが最後の250mで先頭に立つと、そのままフィニッシュまで突き進んで今大会2勝目を決めた。
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