緊急事態宣言を延長 安倍首相が会見(全文1)14日めどに専門家会議が状況評価
病院での集団感染を憂慮
感染の恐れを感じながら、さまざまな行動制約の下での生活は緊張を強いられるものです。目に見えないウイルスに強い恐怖を感じる。これは私も皆さんと同じです。しかし、そうした不安な気持ちがほかの人への差別や、誰かを排斥しようとする行動につながることを強く恐れます。それはウイルスよりももっと大きな悪影響を私たちの社会に与えかねません。誰にでも感染リスクはあります。ですから感染者やその家族に偏見を持つのではなく、どうか支え合いの気持ちを持っていただきたいと思います。 各地の病院で集団感染が発生している状況を大変憂慮しています。しかし医師、看護師、看護助手、そして病院スタッフの皆さんはそのような感染リスクと背中合わせの厳しい環境の下で、強い使命感を持って、今この瞬間も頑張ってくださっています。全ては私たちの命を救うためであります。医療従事者やその家族の皆さんへの差別など、決してあってはならない。共に心からの敬意を表したいと思います。 緊急事態の下でもスーパーや薬局で働いている皆さん、物流を支えている皆さん、介護施設や保育所の職員の方々など、社会や生活をさまざまな場所で支えてくださっている皆さん、そうした皆さんがいて、私たちの暮らしが成り立っています。あらためて心から感謝申し上げます。私たちの暮らしを支えてくださっている皆さんへの敬意や感謝、ほかの人たちへの支え合いの気持ち、そうした思いやりの気持ち、人と人との絆の力があれば、目に見えないウイルスへの恐怖や不安な気持ちに必ずや打ち勝つことができる。私はそう信じています。
欧米経由の第2波も感染者増はピークアウト
今年は大型連休中も不要不急の外出を避け、自宅での時間を過ごしてくださっている皆さんにあらためて衷心より御礼を申し上げます。友人同士でのオンラインでの交流など、インターネットやSNSを使って人と人との絆を深め、楽しもうという、自宅での時間を楽しもうという方々がいることに大変、勇気づけられます。前向きな皆さんの存在が緊急事態を乗り越える大きな力となっています。例年、ゴールデンウィークには実家に帰省するなど、家族で旅行していた皆さんも多いと思いますが、今年はオンライン帰省などのお願いをしております。そうすることで皆さんの、そして愛する家族の命を守ることができます。ご協力に感謝いたします。いつかきっとまた家族でどこかに出掛ける、そのときのために、今はどうかおうちで家族との時間、家族との会話を大切にしていただきたいと思います。 先日、国立感染症研究所が発表したゲノム分析によれば、わが国は徹底的なクラスター対策によって、中国経由の第1波の流行について抑え込むことができたと推測されます。そして700名を超える集団感染が発生したダイヤモンド・プリンセス号からのウイルスも、さまざまな対策の結果、国内では終息したと分析しています。そして今また欧米経由の第2波についても、感染者の増加はピークアウトし、終息への道を進んでいます。皆さんに大変なご協力をいただきました。大変つらい思いもしていただいていることと思います。しかし私たちのこれまでの努力、取り組みは間違いなく確実に成果を上げています。みんなで前を向いて頑張れば、きっと現在のこの困難も乗り越えることができる。国民の皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。ありがとうございました。私からは以上です。 司会:それではこれから皆さま方からのご質問をいただきますが、質問には安倍総理と、それから尾身会長にご対応をいただきたいと思っておりますので、総理、そして尾身会長におかれましては所定の位置にご移動願います。 質問の内容によりましては尾身会長からご説明をいただくこともございます。ご了解を頂戴したいと思います。質問をご希望される方、その意思表示は前回、前々回のやり方に従いまして、発声ではなく挙手でお願いしたいと思います。私が指名いたしますので、指名を受けた方は近くのスタンドマイクまでお進みいただきまして、所属とお名前をあらためて明らかにされた上でお願いいたしたいと思います。 それでは初めに幹事社からご質問とさせていただきます。はい、どうぞ。 【書き起こし】緊急事態宣言を延長 安倍首相が会見 全文2に続く