中学受験、合格後の進学先を子どもに最終決定させてもいい? 親の悩みに受験のプロが「本人が決めるべき」と考える理由
「詰め込み」「偏差値」というイメージが強い中学受験。「受験のための勉強は子どもの将来に役に立つの?」「難易度より、子どもを伸ばしてくれる学校を選びたい」といった悩みを抱えている親御さんも増えています。思い切って「偏差値」というものさしから一度離れて、中学受験を考えてみては――。こう提案するのは、探究学習の第一人者である矢萩邦彦さんと、「きょうこ先生」としておなじみのプロ家庭教師・安浪京子さんです。今回は、矢萩さん、安浪さんと、教育ジャーナリスト・おおたとしまささんが参加して大阪で行われたセミナー「中学受験『うまくいった』家庭の極意」に寄せられたお悩みからお届け。本稿では、合格後の進学先の最終決定は誰がするべきなのか、という小6の親御さんからの悩みに回答します。 【マンガ】「全落ち」した子はかわいそう? 大人の“勝手な思い込み”に気づかされた、子ども同士の会話とは(全35ページ) 【相談】 3校受験予定です。本人の受験への気持ちを10で表すなら、受験したい気持ち6で、公立へ行きたい気持ちが4だそうです。そこは今さらしかたないのですが、私としてはもし合格した場合、誰が最終的に決定するのかを悩んでいます。ここは子どもに選択させるのがよいのでしょうか?第一志望以外の2校は家から1時間以上かかるので、体力的に大丈夫かな?と心配です。(小6男子の母) ■6:4は「本心」なのか? 安浪:受験したい気持ちが6、公立に行きたい気持ちが4ですか。数値化しているのは子どもらしいけれど、親として悩む気持ちはわかります。 矢萩:これ、ちょっと難しいなと思うのが、本当に6:4なのかということです。ぼくが今まで見てきたなかでも、本当は100%受験して進学したいのに、「まあ、6:4ぐらいかな」っていう生徒はたくさんいました。友達との関係上そう言っているのかもしれないし、新天地でうまくやっていく自信がないのかもしれない。あるいは、合格できなかったときに自分が傷つかないための防御線なのかもしれないし、他にいろいろと理由があるのかもしれないですが。