「売れても売れなくてもいい。とんねるずで歌いたい」――木梨憲武、60歳から「もっと遊ぶ」宣言
還暦のとんねるず。今みんなに何を伝えるか
今月、還暦を迎える。こたつで寝そべっていると、時々むせて「死んじゃうかと思う」。加齢を痛感しながらも、ここから10年はもっと遊ぶと宣言する。フルオーケストラでライブをやる、成美さんと映画を作る、アートで町おこしをする……。楽しみは尽きない。 とんねるずとしてもやりたいことがある。 「石橋キャプテンには、もう伝えてあるんですけど。次何やるか、俺はもう決まってるよって。いつでもいいんですよ。ここから2人で何かやるには、1回戦はライブやりたいなと。若い頃、東京ドームで1回やってね。今やったら『クラス会』って言って、来てくれるんじゃないかな。『時代こんなに変わったよ、でも来て、クラス会』って。まあ俺が言ったところで、石橋さんが『うん』と言わないとやらないんだけど」 「あの時代に石橋貴明と秋元さんが組んで、俺たちは何を伝えていけばいいんだって考えて、『情けねえ』『一番偉い人へ』という曲ができた。今、みんなに何を伝えられるか。売れても売れなくてもどうでもいい。もう一回、そういう新曲をただ俺が歌いたいだけ。とんねるずとして歌いたいだけ。下の年代に、同年代に、先輩に、全ての人にメッセージを伝えたい。もういい年こいたんで、やりたいことしかやらないと思うんでね」
「RED Chair」では、最後に椅子に揮毫(きごう)してもらう。アドリブを愛するようで、実は段取りが一番好きだという木梨。筆とペンを使い分けて、整然と描いていく。椅子の背を「木梨憲武60歳のプロフィール」が埋め尽くした。最後に「生まれ変わったらもう一度、木梨憲武に生まれたいですか?」と尋ねると、「横に、成美さんがいるのなら。……キャー!どうこの答え?」と少し照れながら真実を語ってみせた。椅子にもちゃんと記されている。 木梨憲武(きなし・のりたけ) 1962年、東京都生まれ。80年、「とんねるず」を結成。88年に『とんねるずのみなさんのおかげです。』がスタート。『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』『とんねるずのみなさんのおかげでした』など人気番組を生み、音楽活動でもヒットを飛ばす。画家としても活動し「木梨憲武展」は国内外を巡回中。現在、ラジオ、テレビ、GYAO!などで冠番組を持つ。4月には両国国技館で「第2回 木梨フェス 大音楽会」を開催。 (Text by Saya Tsukahara) 【RED Chair】 ひとりの人生を紐解く『RED Chair』。先駆者、挑戦者、変革者など、新しい価値を創造してきた人たちの生き方に迫ります。