「なぜ角田裕毅ではなくローソンをペレスの後任に選んだのか」レッドブルの選択を『F1』公式の識者が考察|F1
「角田はレッドブルの姉妹チームであるアルファタウリ~レーシングブルズで4シーズン目を迎えていた。しかも、これまでで最も印象的なシーズンを過ごしていたにもかかわらずこのような結果になった」 「日本人レーサーは2023年、チームメイトのニック・デ・フリースを大きく上回った。同年の途中からスイッチとなったリカルドに対しても同様の成績を収めている」 角田が結果を示したこともありシンガポールGP終了後にリカルドが離脱。その後任としてローソンが2024年の終盤6レースを戦った。 「ローソンが2024年終盤6戦に出場しても、角田は予選において6-0で圧勝している。決勝の獲得ポイントでも、ローソンの4ポイントに対して(終盤6戦で)8ポイントを獲得するなど、日本人は明確な結果を示していた」
アブダビGP終了後の12月10日、角田はピレリのタイヤテストでレッドブルRB20を駆った。だがレッドブルとしては、ローソン昇格がかなり前から既定路線だった模様。 「角田はシーズン終盤、アブダビでのテストにレッドブルから参加した。キャリアにおいて初めて現行レッドブルのパフォーマンスモードで走行を行い、非常に印象的な仕事をしたとされている」 「これは角田の支援者でもあるホンダが推し進めたことによるテストだった。ホンダは2025年限りでレッドブル・パワートレインズと袂を分かち、アストンマーティンのワークスパートナーとなる予定だ」 「この日本の企業の幹部らはドライバーに関して発言権がないことは承知していたはず。それでもペレスがもし離脱した場合、2025年にはフェルスタッペンとともに自社で育てたドライバーを昇格させるよう、レッドブルに訴えたと見られる」 「しかし、このテストの時点ですでに決定は下されていた」
バレット氏は角田の2024シーズンについて、成長などのポジティブな見解を示している。 「角田は予選とレースの両方でパフォーマンス曲線の面で進歩を遂げ、チームに優れたフィードバックを提供できることを示した。それだけでなく無線において感情をあらわにすることもコントロールできるようになっていた。だがこれらの証明も(昇格には)十分ではなかった」 昇格を勝ち取ったのはローソン。その点についてはクリスチャン・ホーナー代表の意向が大きかったと見ている模様だ。 「レッドブルは、スーパーサブ(2023年5戦、2024年6戦)として2度出場したローソンのプ走りを見て、ローソンの方が角田よりも潜在的に高い可能性を秘めていると考えたようだ」 「ホーナー代表は『ESPN』に対し、“2人のどちらかを選ぶのは非常に厳しい選択”としながらも、ローソンが勝っていると判断し、この決断に至った」